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リーダーに求められる「説明する力」

17.06.02 |

チームスポーツの指導者が、もっとも頭を悩ませる場面とは? 「先発メンバーの決定」と答える指導者は、種目を問わずに多い。

チームが勝っているなかでスタメンを代えると、先発落ちした選手は「結果が出ているのになぜ?」と思う。「監督は自分が嫌いなのか?」といった疑問さえ心に浮かべる。

チームが負けたあとのスタメン変更も、実は簡単でない。敗戦という客観的事実があるものの、先発から降格となった選手は「監督はあの試合で負けた責任が、オレにあると考えているのか?」といった思考を巡らせるものだ。だからといって、スタメン変更をためらうのも違う。控え選手からすれば、「負けたからこそ、スタメンを代えるタイミングだろう」と主張したくなる。

つまり、結果に関わらず選手起用は難しい、ということなのである。野球でもサッカーでも、チームの誰もが納得する選手起用など成り立たない、と言っていいかもしれない。

では、リーダーはどうあるべきなのか。

客観性のある選手起用をするのは当然だ。その上で、選手起用の意図を「説明する力」がなければならない。説明するだけでなく、理解させて納得させられなければ、その選手起用は『しこり』として残ってしまう。

表面的には納得したポーズをとっても、心の奥底で不満を抱えている選手がいるかもしれない。それでも、チームの軸がしっかりしていれば、目標へ向かっていくことができる。

チームスポーツの軸とは、自己アピールではなくチームの勝利だ。「組織が結果を残すことで個人が輝く」という論理を浸透させられれば、選手は「自らの使われ方」に不平や不満を抱かなくなる。ストレスが滲む部下を見かけたら、「自分たちの組織の目標」を再確認するのが効果的だ。

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