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組織最適の教育ではダメ! Googleが導入している社員のモチベーションを上げる研修「SIY」とは?

17.07.14 |

人材コンサルティングを行っているギャラップ社(米国)の調査によると、日本の「熱意あふれる社員の割合」はたったの6%しかないことがわかりました。
不名誉なことに、調査対象139カ国中のうち132位でした。 

やる気のある社員が少ない背景として、日本の社員教育と経営手法に問題があるとギャラップ社は指摘しています。 

日本企業は組織最適に重きをおいており、“効率的な全体行動”を前提とした社員教育を実施しています。
大量生産大量消費の時代だったこともあり、こうした教育制度が企業の成功を生み出してきました。
しかし時代の流れによって、組織最適の教育制度では社員のモチベーションを保てなくなってきています。 

では、どうすればいいのでしょうか? 

Googleが導入している研修プログラムが、その答えのヒントとなるでしょう。

モチベーション向上へのキーワードは“自己内観法” 

近年、海外の企業で注目を集めているのが“自己内観法”を活用した研修プログラムです。 

Googleでは「Search Inside Yourself(SIY)」という研修プログラムを導入し、社員のモチベーションを向上させています。
SIYを日本語で直訳すると「己の内を探れ」という意味になります。 

SIYの発案者は、Googleの初期検索アルコリズムを作った天才エンジニアとして有名なチャディー・メン・タンです。 

彼は組織の中枢で多忙な毎日を送っていましたが、あるとき、自分の仕事が自分の幸せに結びついていないことに気づいたといいます。そこで、身内のために研修講座を開きました。SIYが生まれた瞬間です。 

この研修プログラムには、Googleを辞めようと考えていた社員も受講したようです。
SIYが終わると、退職を考えていた社員の中から「仕事が面白くなった」「仕事のパフォーマンスが上がって昇進した」という人が多数現れたといいます。 


Googleでは“己の内”をどのように探っている? 

タン氏がマチウ・リカールという仏教僧と出会ったことが影響し、SIYは仏教の考え方に近い内容で瞑想を取り入れています。 

SIYは、次の3つの柱から形成されています。 

第1の柱は「注意力のトレーニング」です。
感情に左右されることなく、事実の認知を正しくするために注意力を鍛えます。 

第2の柱は「自己認識と自制」です。 
注意力を鍛えたあとに、「自分がどのようにして事実を認識しているのか」「どのような観念が認識に影響を与えているのか」「影響を受けたとき感情がどのように動くのか」を知覚するトレーニングをします。 

第3の柱は「役に立つ心の習慣の創出」です。 
これは感謝の心を創り出す習慣です。自分の周りにいる同僚や上司、仲間に対して善意で協力ができれば、自ずとパフォーマンスが上がります。 

周りへの“感謝”を生み出せれば社員個人が見えている世界が変わり、会社との関わり方にも好影響を与えます。
一企業の利益だけでなく、社会全体の利益を考えることが、今後の社員教育に必要になってくるのでしょう。


企業成長のための人的資源熟考

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