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広告ビジネス界における世界最高峰の国際賞“カンヌライオンズ”2017の受賞作品から①

17.10.27 |

広告ビジネス界における世界最高峰の国際賞『カンヌライオンズ』。
その受賞作品は、現在の広告界・マーケティング界の現状を如実に反映し、多大な影響力を保っています。 

今回は複数受賞した話題作を中心に、カンヌライオンズ2017のレポートを4回にわたってご紹介します。

■4冠を獲得した『Fearless Girl』 

今年はまず、4部門のグランプリ他、18もの賞を受賞し、4冠を獲得した『Fearless Girl』(恐れを知らぬ少女)から詳しく見ていきましょう。

カンヌライオンズの長い歴史の中でも、4部門以上でグランプリを受賞したのは史上3作品目となり、歴史的に見てもとても評価が高いことが分かります。 

これは世界3位の運用規模を誇るState Street Global Advisors(以下SSGA)というアメリカの投資ファンド会社が発売した、『SHE』という新しい株式ファンドの広告コミュニケーションです。
SHEは、女性が活躍する会社の株式ばかりを集めたファンドで、その商品特性から広告コミュニケーションのメッセージは、もっと“女性のパワーを知ろう”というものです。 

SSGAと担当広告代理店マッキャンNYは、何をやったのでしょうか? 

彼らは金融街ウォール・ストリートそばのニューヨーク市が管理する小さな公園に、少女の像を設営しました。 

基本的には、“ただ、それだけ”です。 
足元には、「リーダーシップにおける女性のパワーを知ろう!」と書かれたプレートが置かれ、「“SHE”は違いを作り出す。SSGA。」と掲げられました。 


■ニューヨークの公園に少女の像を設置した理由… 

ここである真実をお伝えします。 
実はこの小さな公園には、すでに、荒々しい牡牛をモチーフにした“チャージング・ブル”という有名な別の像が存在していたのです。 

この像は1987年の株式大暴落(ブラックマンデー)を受け、アメリカ株式市場のパワーの象徴として設置されたものです。 
このチャージング・ブルと対峙する形で、その数メートル先に少女の像は設置されました。 

その姿は、またたく間に新たな観光名所となり、多くの人が少女像と一緒に撮った画像をSNSに投稿しました。 
当初1週間の予定で設置されたのが、延長を求める声が相次ぎ、現在では2018年国際女性デーまでの1年間の設置が決まっています。 

この『Fearless Girl』は、何故そんなに人気になり、何故そんなに評価されたのでしょうか? 
その点も含めて、次回からもカンヌライオンズ2017について、お伝えして行きます。 


次回:広告ビジネス界における世界最高峰の国際賞“カンヌライオンズ”2017の受賞作から② 



佐藤達郎のマーケティング論

●プロフィール●
佐藤達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。

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