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強みや弱みを分析する“SWOT(スウォット)分析”とは? ①

18.03.02 |

ハーバード大学ビジネススクールで古くから“マーケティング分析ツール”として使われていたSWOT(スウォット)分析。 

これは、“自社の製品やサービスにどんな強みや弱みがあるのか”、また“世の中に受け入れられるのかどうか”を分析するためのフレームワークです。 

では、具体的にどのような手順で分析を行っていけばよいのでしょうか? 
今回から数回にわたり、“SWOT分析のやり方やコツなどについて、ご紹介していきます。

SWOT分析とは? 

SWOTとは、Strengths(強み)・Weaknesses(弱み)・Opportunities(機会)・Threats(脅威)の頭文字を取ったものです。 

やり方としては、強み(S)・弱み(W)・機会(O)・脅威(T)の4つの要素に振り分けて、現状を把握し、その上で戦略を組み立てます。 



この4つの要素はその対象によって、以下の2つのグループに分けられます。 

グループ1:強み(S)と弱み(W)> 
この2つの要素の対象は、自社商品やサービスをはじめ、自社が持っている人・モノ・金などの資源です。 

グループ2:機会(O)と脅威(T)> 
この2つの要素の対象は、“社会や市場”や“顧客”であり、“世の中の動向”と考えると分かりやすいでしょう。 

まずは、グループ1から見ていきましょう。 


強み(S)と弱み(W)は自社や自社製が対象 

強み(S)は、自社製品やサービスの持つプラスの要素つまり自社の武器”です。 
できれば競争相手の多くが持ってない要素である方が望ましいでしょう。 

たとえば飲食店なら、以下のような点が強みだと考えられます。 
・駅前の好立地にある 
・賞を受賞しているシェフがいる 
・産地直送の野菜が使える など 
  
また、“血糖値を下げるサプリ”であれば、以下のような点が強みとなるでしょう。 
・有意な実験データがある 
・著名な医師が勧めている 
・1日1回飲めばいい簡便性 など 

一方、弱み(W)は、自社製品やサービスの持つマイナスの要素です。 

たとえば、飲食店なら、 
・行くのに不便な立地 
・自慢できるほどのシェフがいないわりに値段が安くない など 

サプリでいえば、 
・エビデンスデータを持ってない 
・1日3回10錠ずつ飲む必要がある 
・味が苦くて飲みにくい  

などといったことが考えられると思います。 


機会(O)と脅威(T)は “世の中の動向”が対象 

では続いて、外部環境を対象とする、機会(O)と脅威(T)のグループについて見ていきましょう。 

機会(O)は、自社製品やサービスにとってプラスになる外部要素、 
脅威(T)は、世の中に存在するマイナスの要素、不都合な要素です。 

たとえば、“駅前の好立地にある”という強み(S)を持った飲食店があったとします。 
仮に、“忙しい人が多く、駅前で食事を済ませる人が増えた”という世の中の動向があれば、この飲食店にとってはプラスの要素(機会<O>)となります。 
しかし反対に、“駅前から少し離れた場所にある、特徴的な飲食店に興味のある人が増えた”という世の中の動向があった場合、この飲食店にとってはマイナスの要素(脅威<T>)になるでしょう。 

SWOT分析による外部環境、つまり機会(O)と脅威(T)は、簡単に自分達ではコントロールできません。 
現在の外部環境が自社にとっての機会なのか脅威なのかを見定め、その環境に合わせるのか、はたまた変化を持って行動するのか考察するためのものだと考えてください。 

さて、次回も“SWOT(スウォット)分析”について考えていきましょう。 


次回:強みや弱みを分析する“SWOT(スウォット)分析”とは? ②



佐藤達郎のマーケティング論

●プロフィール●
佐藤達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論 / メディア論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK(アサツー ディ・ケイ)→(青学MBA)→博報堂DY→2011年4月より現職。
著書に、『「これからの広告」の教科書』、『教えて!カンヌ国際広告祭』、『自分を広告する技術』、『人前であがらない37の話し方』等がある。

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