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クリニックでの“働き方改革”は、キャリアアップ推進がカギ!? 

18.03.09 |

2018年2月15日、厚生労働省は『働きやすく生産性の高い企業・職場表彰』の受賞企業を発表しました。 
この表彰事業は昨年度から実施され、“生産性向上と雇用管理改善魅力ある職場づくりを両立する取り組み”の促進を目的としています。 

2017年度は全国88の企業・職場からの応募があり、最優秀賞3社、優秀賞4社など計12社が選ばれました。 

今回は、最優秀賞受賞企業やあるクリニックの取り組みをもとに、医療業界にも求められる“働き方改革”について考えていきます。

働きやすさと生産性の両立が重要 

『働きやすく生産性の高い企業・職場表彰』の最優秀賞(中小企業部門)に選ばれたある企業は、朝6時から保育ルームを運営し、時短勤務も積極的に推進。
女性をはじめ多様な人材が活躍できる環境を整備したことが評価されました。 

また、同賞を受賞した別の中小企業は、従業員の7割以上が女性のため、託児所の新設など女性にとって働きやすい環境を整備。
過去5年間で出産による離職者ゼロを実現したことが受賞に繋がりました。 

政府が主体となって推進している“働き方改革”は、医療業界においても大きな課題になっています。 

では、病院やクリニックにおいて、残業時間削減など勤務状況を改善し、なおかつ生産性も向上させていくには、どのような対策が必要なのでしょうか? 


キャリアアップを支援し職場の定着を促す 

医療施設においては、医師や看護師をはじめとしたスタッフの“確保”と“継続的に勤務してもらう環境づくり”が大きなテーマといえるでしょう。 

ここで、あるクリニックの取り組みをご紹介します。 
そのクリニックでは、看護師に継続して働いてもらうため、10年以上前から育児休暇や時短制度などを整備しています。 
その結果、看護師の退職率は極めて低くなり、人材登録会社に支払うリクルート料などのコストがほとんど発生していないのです。 

さらに、人事考課を導入し、スタッフごとに毎年の目標設定と評価を行い、1人ひとりのキャリアアップを積極的に支援しています。 
そのバックアップを受けて、同クリニックが併設している訪問看護ステーションの看護師は、皮膚・排泄認定看護師の資格を取得。
周辺の医療機関や地域包括ケア支援センターと連携して、在宅患者の早期褥瘡(※1)対策のキーパーソンとして活躍しています。 

また、育児休暇中でも定期的に勉強会などに参加。
医療知識やスキルの低下を招かないためのトレーニングを行っているため、休暇が長期に及んでも問題なく職場復帰できる環境が完備されているのです。 


スタッフの出入りが激しい職場では、生産性の向上を目指すことは難しいでしょう。
そして、何より患者に不安を与えてしまいます。 
そのため、安定した医療を提供し、患者に安心感をもたらすためにも、同じスタッフに継続して働いてもらえる環境を整えることは重要です。 
さらに、長期間働くことで職場に愛着がわき、スタッフ自らが「もっとスキルアップしたい!」「こんな職場にしたい!」などと主体性を持って業務や職場改善に取り組むことも期待できるでしょう。 

“働き方改革”の第一歩として、まずはスタッフ一人ひとりが多様なキャリアプランを実現できる職場づくりから始めてみてはいかがでしょうか。 


※1 褥瘡(じょくそう):寝たきりなどによって長時間同じ体位でいることで、ベットなどと接触している皮膚やその周辺組織の血流が悪くなり、それらの組織が壊死してしまうこと。 



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