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WHY(なぜ?)を中心にしたビジネスが増益・増収のカギ!? 後編

18.06.15 |

全2回にわたり“ビジネスを構築する上でWHY(なぜ?)が大切な理由”をお話ししています。

前回は、WHY→HOW→WHATの順でマーケティング・メッセージを打ち出し“商品より信条をアピールすること”で、購買意欲を促進できるとご説明しました。

今回も引き続き、有名なコンサルタントであるサイモン・シネック氏の著書『WHYから始めよ!』を参考にしながら、WHYを中心にしたビジネスについて考えていきます。

WHY=ブランドの存在意義!?

広告・マーケティング業界では、“WHYから始める”ということは『ブランド・パーパス (BRAND PURPOSE/ブランドの目的)』。
つまり、“ブランドが存在する理由そのものである”と考えられています。

その一例としては、スキンケア用品の『Dove(ダヴ)』が有名です。

Doveは、ブランド・パーパスとして、『すべての女性が、自分の美しさに気づくきっかけを作ること』が使命だとホームページで明言。
REAL BEAUTY(リアル・ビューティ)という言葉で訴求し続けています。

そして、マーケティング・メッセージを、

(1)WHY『女性は一人ひとりが、その人固有の美しさを持っているので、そのことに気づいてもらい、そのことをサポートするのが、私たちの信条です』

(2)WHAT・HOW『スキンケア製品を、良い品質で提供することで、私たちはその信条を実現しようとしています。どうぞ、使っていただけませんか?』

と、WHY→WHAT・HOWの順にすることで、商品よりも“信条”をアピールしています。


スターバックスも
WHYから事業をスタート

また、アメリカで誕生し、日本でも人気の喫茶チェーン店『スターバックス(Starbucks Corporation)』も、WHY(ブランド・バーパス)から事業を始めたといわれています。

おいしいコーヒーを提供し、居心地の良いソファーや空間を用意するのは、『自宅と職場以外にくつろげる第三の場所(サードプレイス)を提供したい』というWHY(ブランド・パーパス)がスタート地点だというのです。

そして、以下のようなマーケティング・メッセージを打ち出し、WHY→WHAT・HOWの順でビジネスを考えることで、大成功した事例だと考えられます。

(1)WHY『自宅と職場以外にくつろげる場所を持たない多くの現代人に、第三の場所を提供するのが、私たちの信条です』

(2)WHAT・HOW『多少値段は高いけれど美味しいコーヒーを、座り心地の良いソファーのある居心地の良い空間を提供することで、私たちはその信条を実現しようとしています。どうぞ、ご来店いただけませんか?』


WHYを見つめ直すことが重要!

このように、“なぜビジネスを行っているのか”、“利益以外の理由や目的は何か”など、ビジネスを構築・運営するには、WHY(目的)から考えることが大切です。

たとえば、レストランを例にすると、

・レストランを運営する理由
・お店を続ける目的
・そもそも何を目指して始めたのか
・利益を上げる以外に、何か理由や目的があったのではないだろうか

これらのことを見つめ直した上でWHATやHOWを考えれば、今のビジネスに新しい展開が見えてくるかもしれません。



佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法 

●プロフィール●
佐藤達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論 / メディア論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK(アサツー ディ・ケイ)→(青学MBA)→博報堂DY→2011年4月より現職。
著書に、『「これからの広告」の教科書』、『教えて!カンヌ国際広告祭』、『自分を広告する技術』、『人前であがらない37の話し方』等がある。

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