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“無期転換ルール”が本格スタート! 定年後の雇用はどうなる?

18.06.15 |

2018年4月から“無期転換ルール”が本格始動となりました。

2013年の労働契約法改正で導入されたこの制度ですが、実際に無期転換権の行使が発生するのは、2013年4月1日以降に5年以上継続して“有期労働契約”を更新している労働者からの申込みがあった場合です。
つまり、施行から5年を迎えた2018年4月からが本格的なスタートといえるでしょう。

そのため今回は、この“無期転換ルール”について、改めて制度の成り立ちからご紹介していきます。

無期転換ルールの成り立ち

昭和時代、戦後の日本では、終身雇用制度が一般的でした。
しかしながら近年では、非正規の有期雇用契約が増加してきています。

企業にとって、非正規雇用である有期雇用契約のメリットは『必要なときに人を雇い、不要になれば人を減らせる』ということでしょう。
しかし、働く側にとっては“生活が不安定”という大きな問題もあります。

そこで国が作った制度が『有期雇用の無期転換』です。

有期雇用が5年以上継続して更新され、労働者が無期の労働契約への転換を希望した場合には、会社の承諾がなくとも労働契約の内容が“無期の労働契約に変わる”というものです。

本来、“契約”とは、当事者双方の意思が合致して、初めて成立します。
そのため、この制度は極めて特殊なものといえるでしょう。
有期雇用の非正規労働者の増加に対する社会全体の問題意識の高まりも背景にあるのかもしれません。


定年を迎えた従業員への適用は?

この制度は本来、若年層で有期雇用契約となった人が、将来を見据えて無期の労働契約に転換するためにつくられたものでしたが、高齢者層に対する副産物も生まれています。

現在、60歳を定年とする企業では、1年ごとの有期雇用契約によって65歳まで雇用を延長しているところも多いでしょう。
ところが、無期転換権は60歳以降の人に対しても適用されるため、65歳を過ぎて無期雇用契約への転換がされる可能性が生じます。

ただし、無期転換ルールの特例を定めた『専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法』によると、

『適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主の下で、定年に達した後、引き続いて雇用される有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)については、その事業主に定年後引き続いて雇用される期間は無期転換申込権が発生しない』と定められています。

つまり、定年後に引き続き雇用する場合でも、必要な措置を講じれば無期転換ルールの対象から除外されるのです。

ただし、働き方は社会の変化とともに変化していきます。
働き方改革”が叫ばれる今、これを機に有期雇用労働者や高齢者の働き方について考えてみてはいかがでしょうか。



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