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学生にも企業にもメリット大! 今注目の異能人材採用とは?

18.08.24 |

2018年春に卒業した大学生の就職内定率が過去最高を記録。そんな“売り手市場”が続く中、大手企業が続々と、芸術やスポーツなど分野を問わずに優秀な実績を修めた学生を採用する“異能人材採用”の導入を始めました。
ゼネラリストを大量に確保する従来型の採用方法から、新たな視点での採用を試みた背景には何があるのでしょうか。
異能人材を採用することの企業側のメリットや、異能人材の確保の仕方など、かつてない人材採用の実態をご紹介します。

“普通”はいらない。異能人材採用が拡大している理由

文部科学省と厚生労働省の調査によると、2018年春に卒業した大学生の4月1日時点の就職率は98.0%と、調査開始以来の過去最高を3年連続で更新しました。
これについて文科省は、「景気の回復基調が続き、企業の採用意欲が高まっている」と分析しています。

景気の回復は喜ばしいことではありますが、企業にとって必要な人材を確保することは困難になってきています。このような状況の中、一部の企業では従来の採用方法を見直して、一芸に秀でた人材を確保する“異能人材採用”が導入されました。
その理由は、変化の速い現代社会の流れに乗り切ったり、あらゆる角度から切り込んだりすることができる人材の確保のためや、業界内で突出するための斬新なアイデアの必要性のためなど。要するに、企業は今、“普通”・“一般的”を打破してくれる発想の持ち主を欲しがっているといえます。


コストをかけずして優秀な人材確保が可能

従来の採用方法は、時間的にも人件費的にもコストがかかり、すべての応募者を一人ひとりじっくりと見ることが難しいという現状があります。昨今“学歴フィルター”という言葉が話題になりましたが、それを行ってしまうと、大学の偏差値や成績に現れにくい能力を持った学生をみすみす逃すことになり、企業側が損をしてしまう場合も。
そこで、異能人材採用を導入することで、膨大な人数を収容するための会場費や人件費など、採用にかけるコストを最小限に抑えながら、優秀な学生の獲得につなげることができます。

また、異能人材採用の導入自体が、企業のPRとして効果をもたらすこともあります。
思うように応募者が集まらず、人材採用に苦労している企業であれば、ユニークな採用方法を導入したことで注目を集めることができるでしょう。


異能人材採用は、企業の個性も投影される

実際に企業が行っている異能人材採用にはどんなものがあるのでしょうか。

大手損保では、2019年の新卒採用から『チャレンジコース』として、趣味や芸術、社会貢献などジャンルを問わず、“誰にも負けない誇れる実績を上げた人”の募集をスタート。

大手フィナンシャルグループでは、今年から本格的に大学の理系研究室に採用担当者を送り始め、科学・技術・工学・数学を意味する英単語の頭文字を取った言葉で、ビッグデータ分析などを支える『STEM』人材を探しています。

大手銀行では、市場動向を分析して高収益の運用につなげる『クオンツコース』や、デジタル技術で金融サービスを開発する『デジタライゼーションコース』を新設。

IT系では、スポーツや学術などなんらかの活動でNO.1になった学生のみが応募できる『NO.1採用』を売りにした企業や、1泊2日のサバイバル合宿を開催し、新たな事業案をプレゼンさせる企業など、ひときわユニークな採用方法を導入しています。

“異能人材採用”は地方でも行われていて、福井市の企業では、“部活動で全国大会レギュラー出場経験”、“インスタまたはツイッターのフォロワー数が500人以上”などの条件のうち一つでも該当すれば1次試験は免除され、選考は面接のみになるといいます。

売り手市場の中、1人でも優秀な人材を確保するために“異能人材採用”を導入した企業が多いと思いますが、その企業の個性やカラーを学生が肌で感じる絶好の機会でもあります。「ここで働きたい」と思ってもらうために、企業としても裏表のない誠実な対応で採用に臨みましょう。

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