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デメリット多数! 『滅失登記』を忘れたらどうなる?

18.09.06 |

家を建てたり土地を購入したりしたときには、不動産の登記手続きが必要です。
登記手続きとは、第三者に「この不動産の権利関係がどうなっているのか」「誰が不動産を所有しているのか」といったことを示すために行われるものです。
ですが、建物を取り壊した時にも『滅失登記』という登記が必要なことをご存じですか?
今回は、建物を取り壊したときに行う滅失登記がどうして必要なのか、滅失登記をしないままだと、どんなデメリットがあるのかをご紹介します。
滅失登記をまだ行っていない方は、最後に登記方法や必要書類についてもご紹介していますので、参考にしてみてください。

滅失登記は解体から1ヶ月以内に行う義務がある

建物を建てたときや購入したときではなく、取り壊したときに必要な『滅失登記』。
不動産登記法によれば、滅失登記は、“滅失の日から1ヶ月以内にしなければならない”と定められています。
もしも滅失登記の申請を怠った場合、10万円以下の過料を納めなければならない場合があります。

 
ローンが下りない、固定資産税がかかり続ける……
滅失登記をしないと困ること

滅失登記をしないことで、すぐに不都合なことが起きるわけではありません。
しかし滅失登記をしないままにしておくことで、色々なデメリットが考えられます。

1)建築確認が下りず、建て替えができない
更地に建物を建てるときは、自治体に建築確認の申請をしなければなりません。
滅失登記をしていなければ、登記簿上では建物が建っていることになるため、建築確認の許可が下りない可能性があります。

2)新たに建物を建てる際に住宅ローンが下りない
建物を解体して新しく建て替えをするとき、住宅ローンを組む人も多いでしょう。
住宅ローンの審査では、不動産の登記簿謄本や建築確認通知書などが必要となります。
しかし、滅失登記が済んでいなければ、そもそも建築確認許可が下りない可能性が高いため、住宅ローンの審査に通ることは難しくなります。

3)土地を売却できない
登記簿上に建物が残っていると、土地の購入者が新たに建物を建てようとしても建築確認が下りない可能性があります。
知らずに買主が土地を購入してしまったとしたら、売買契約が終わった後でトラブルになる可能性も考えられます。

4)相続人が困る
滅失登記をしなくても、土地を売却したり建物を建てたりしなければ、特に困ることはないでしょう。
しかしそのまま土地の所有者が亡くなってしまうと、相続人が土地を相続することになります。
相続人がその土地に建物を建てたり、土地を売却したりするとき、滅失登記がなされていなければ相続人が代わって行わなければなりません。
その際、相続人であることを証明する書類が必要になるなど、手続きが煩雑になるため、相続人が困ることになります。

5)固定資産税がかかり続ける
固定資産税は毎年1月1日の所有者に課せられるため、前年の12月に建物を取り壊しても、滅失登記をしていなければ次の年も固定資産税がかかってきます。

 
滅失登記は意外と簡単! その方法と必要書類とは

滅失登記をしないことですぐに困ることはなくても、何かあったときに不都合が生じたり、土地を譲り受けた人が迷惑することが考えられます。
滅失登記は、意外と容易に手続きができるので、時間を見つけて手続きをしてしまいましょう。

滅失登記は、その建物がある土地を管轄している法務局に申請します。
申請の際には、以下の書類が必要です。

・滅失登記申請書
・建物取壊証明書(解体した工事会社が作成)
・解体した工事会社の印鑑証明書
・会社の資格証明書
・建物の位置がわかる地図、現地の写真

法務局によっては、自分の印鑑証明書などを求められることがあります。
また、相続人が滅失登記を申請する際には、相続人であることを証明する種類が求められます。
どんな書類が必要になるかについては、申請前に管轄の法務局に確認しておきましょう。


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