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介護業界から離職を防ぐ! 『研修制度』の重要性を知る

19.06.04 |

介護保険制度が2000年に施行されて、今年で19年。
この間、多くの民間企業が介護事業に参入しました。
高齢者人口の増加ともあいまって、業界は年々拡大していますが、その反面、現場では介護職員の不足という問題が生じています。 
介護職は体力的な負担が大きい割に低賃金のため、離職率が高い現状があります。
また、働き続けられたとしても、その業務は過酷でストレスフルなものが多く、心身に不調をきたしてしまうケースもしばしば起こっています。 
今回は介護事業を担う企業として、職員の心身の健康を維持しながら働いてもらうために欠かせない、介護事業における“研修”の重要性を解説します。

働くことの意味を研修で見い出してもらう 

現在、介護事業者の半数以上を民間企業が占めています。
そんななか、多くの民間企業では、知識を備えた専門学生のほかに、一般学生や未経験者を採用することで人員を確保している側面があります。 
しかし、専門的な知識やスキルを持たない職員が要介護者のニーズに応えていくことは容易なことではありません。 
そこで各企業が続々と取り入れているのが、職員の知識や技能のレベルアップを図るとともに、業務への意識ややりがいを高めてもらう『研修制度』です。 

事業の健全性を高め、さらに職員として成長を続けていくために欠かせない研修の第一歩となるのが、新入社員を対象に行う『新人研修』です。
昨今ではディスカッションの時間を多く設けているのが特徴で、社会人としての心構えや自分の壁を乗り越える方法を学び、常にチャレンジしていく精神を養います。
実践研修では、相手の話を聴く姿勢や周囲とのコミュニケーション力を高めます。 
これらはチームで行われるので、仲間と協力しながら業務を遂行していく意味や意識が自然と身につくといわれています。 


重要度の高いクレーム対応やマナー研修 

新人研修の中で特に重要とされているのが、利用者の満足度を向上させる研修です。 
その代表例が『クレーム対応研修』
クレームの対応に欠くことのできない“相手の心情を知ること”“聴く姿勢を整えること”を学びます。 
主な内容は、実践的なグループワークやロールプレイング形式でクレームに対する恐怖感を軽減すること。
利用者や家族からのクレームは、対応を一つ間違えると、介護事業の存続に大きく関わる問題に発展しかねません。
円滑な施設運営のためにも必要な研修の一つといえます。 

クレーム対応研修と並行して、『マナー研修』を行う施設も多くあります。 
マナー研修では、好感を与える笑顔や挨拶、利用者へ配慮した言葉遣いなどについて、講義と実践形式で身につけます。
施設内の良好な雰囲気づくりはもちろん、職員間のコミュニケーションの活性化にもつながっているそうです。 


現場の意識を維持するための階層別研修 

離職を防ぐためには、業務の“やりがい”も重要になってきます。
そのため、研修のなかには中堅職員に向けた『階層別研修』も多くあります。 
たとえば、2年目以降の職員に対して、半年後の目標を設定してもらい、その達成を目指すことで、毎月課題に取り組むことを促しています。
また、若手の管理職に対しては、上級管理職がマンツーマンで指導します。
階層ごとに研修制度を設けることで、各階層のメンバー間のコミュニケーション強化やステップアップへの意欲を引き出す狙いがあります。 

介護事業運営側と介護職員とで、目指す介護現場に相違があるかもしれません。
よりよい介護の現場は職員の意識で大きく変わることもあります。
まずは、自社の職員の構成や職務内容に準じたアンケート調査を行い、不満や要望などを吸い上げて、職場環境の実態を把握することから始めてみましょう。 


※本記事の記載内容は、2019年6月現在の法令・情報等に基づいています。

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