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弁護士から受任通知が送られてきたら、どう対応する?

19.09.11 |

弁護士から『受任通知』が送られてきたという経験はありますか?
受任通知とは依頼者から事件を受任した旨を、相手方に通知する手紙です。
自分には無関係だと思われるかもしれませんが、誰にでも送られてくる可能性はあるものです。
今回は、あせらず対応できるように、受任通知についてご説明します。

受任通知に記載されていることとは?

弁護士は依頼者から事件を受任すると、まずは相手方に受任通知を送ることから始めます。
事件によって記載する内容は変わりますが、一般的には、自分が依頼者の代理人に就任したこと、今後当該案件に関する連絡はその弁護士に対して行ってほしいこと、依頼者本人及び家族などには直接連絡しないようにお願いする旨などが記載されています。
これらの内容は、今後当該案件を協議していくうえでのルールとなりますので、確実に相手方に送付することが必要です。
そのため、相手方が受け取ったか否かを確認できる、内容証明郵便で送付するのが一般的です。
もっとも、相手方が内容証明郵便の受け取りを拒否する可能性も想定し、ポストに投函する方法で配達される普通郵便での発送も、同時に行うことがあります。

受任通知に法的効力はある?

受任通知が届いたら、とても驚くと思います。
なかには、なんとなく内容を察知し、配達員から渡される郵便に対し、受領拒否をする人もいるでしょう。
しかし実は、受任通知には、何の法的効力もないのです。
というのも、受任通知は、あくまでも弁護士が事件を受任したことを知らせる手紙にすぎません。
たとえば、あなたがA子さんと離婚事件を抱えているときに受け取った受任通知に『A子さんと直接連絡を取らないでください』というお願いが書かれていたとします。
それに従わずA子さんに電話をかけたとしても、それだけで罰を受けたり、お金を請求されたりすることはありません。
また、A子さんとの間にもうけた子が大きな怪我をしたなどの緊急時には、A子さんに直接連絡を取っても、特に問題はないでしょう。
法的拘束力がないことさえ知っていれば、届いてもそれほど動揺しなくて済みます。
しかし、注意しなくてはならないのは、あなたに受任通知を送った弁護士を雇ったA子さんは、あなたと直接連絡を取りたくないと考えて、弁護士を立てたということです。
そのようなA子さんに直接電話をしたら、A子さんはどう思うでしょうか?
A子さんとの間でトラブルを抱えることは、あなたにとっても不本意なはずです。
まずは受任通知の内容を読み、A子さんが考えていることを確認しましょう。
あなたもA子さんに言いたいことがあるはずですが、それは受任通知を送った弁護士に対して言えば、A子さんにも伝わりますので、その弁護士にコンタクトを取ってみましょう。

突然、受任通知を受け取ってしまったら、誰もがあせってしまいますが、このようになるべく冷静に対処することをおすすめします。


※本記事の記載内容は、2019年9月現在の法令・情報等に基づいています。

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