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介護事業所開設の失敗事例と成功ポイント2 介護職員採用の失敗

14.10.05 |

介護施設の開設にあたってまず必要なのは人材の確保です。人材がいないといくら利用者が集まってもサービスを提供することが出来ません。

ですが、新規開業で失敗に陥りやすいのがこの人材採用であり、採用計画を見誤ると大変なことになります。

介護事業最前線

介護事業の売上である介護報酬は9割が国保連、1割が利用者から支払われますが、国保連の支払いはサービス実施月の2ヵ月後になるため、少なくとも2~3ヵ月はまとまった売上が見込めません。

つまり、開業後数ヵ月はある程度の運転資金が必要となります。

利用者の増加を見込んでスタッフを多めに採用した場合、予定よりも利用者が集まらなければあっという間に資金繰りが悪化してしまいます。

また、利用者が定数を満たしていないにもかかわらず、高賃金の常勤スタッフを雇用している場合も同様に資金繰りの悪化を招く恐れがあります。

一方、利用者の増加を待ってから採用活動を始めようと考えている場合、採用がスムーズに決まらなければ、現状のスタッフの負担や不満が増えることとなり、退職の連鎖というリスクを抱えることにもなります。

このような新規開業間もない経営者の不安を払拭するためには、バランスの取れた採用計画と助成金の利用などを視野に入れた計画を立てることが必要です。

例えば、開業前に次のような内容を意識して採用計画を立ててみてはいかがでしょうか。

1.介護事業の基盤となる資格はなるべく自らが取得する
2.家族、親類などで協力してくれる人材をより多く集める
3.当初は有期契約の非正規雇用とし、軌道に乗れば正社員転換を図る(→キャリアアップ助成金が活用できる)
4.育児中などの短時間勤務者をなるべく多く集める
5.シングルマザーや高齢者を活用する(→助成金の対象となる可能性がある)


[プロフィール]
田中 靖浩(たなか・やすひろ)
牧江・田中社会保険労務士法人所長・特定社会保険労務士。創業から35年以上の歴史を誇る牧江・田中社会保険労務士法人、所長。これまで労務管理を支援してきた企業は1000社以上。現在、500社ほどの企業を顧問先として抱え、社会保険に関する事務のアウトソーシング、企業防衛型就業規則の作成と社内規則の整備、助成金申請などを受託。

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