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採用する従業員と労働契約書を交わしていますか?

14.12.07 |

スタッフを採用する場合、事業主は当該スタッフと「労働契約」を結ぶことになります。
「労働契約」とは、スタッフ(労働者)が施設(事業主)に対して労働力を提供することを約束し、施設がその対価として報酬(給与)を与えることを約束することです。
求人募集を見た人がこの介護施設で「働きたい」と申し込み、施設側が「それでは、働いてください」と承諾するだけで、労働契約は成立することになります。
では、実際の介護現場ではどのようにされているのでしょうか。

介護事業最前線

2014年の夏に公表された「平成25年介護労働実態調査」によると、「勤務時間や従事する業務の内容等について」はほとんどが説明を受けたという回答でしたが、一方で「労働契約の更新」や「退職に関する事項」については、約半数の方が説明を受けていないという結果となっています。
この結果より、介護現場において現在直面すること(労働時間、賃金、休日、業務内容等)は意識して説明しているが、この先到来すること(契約の更新、退職等)は、あまり詳しい説明をしていないという現実が見えてきます。

しかし、退職や労働契約の更新については労務トラブルに発展することが多い事項であるため、事前に労働条件を確認しておくことが不要な労務トラブルを回避する手段になると言えます。
例えば「退職に際して○日前に申し出をすること」や「労働契約を更新する場合の条件」等について明確にしておくことで、施設側も急な人材不足に振り回されることが少なくなります。

また、労働基準法では事業主に対して労働者を採用する場合には、賃金・労働時間等の重要な内容について書面を交付して明示することを義務付けています。
この書面を一般的に「労働条件通知書」といいます。

【労働条件通知書に明示しなければならない事項】
(1)労働契約の期間について
(2)就業の場所、従事すべき業務の内容について
(3)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、所定労働時間を超える労働の有無、交替制勤務をさせる場合は就業時転換についてすべての始業・終業時刻
(4)賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期について
(5)退職について(解雇の事由を含む)

もし、労働条件について書面で明示されていない場合は、「労働契約書」または「労働条件通知書」を整備し、交付するようにしましょう。

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