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外国人雇用は人材不足解消の切り札に成り得るか!?

15.02.11 |

団塊の世代が75歳を迎える2025年には、介護業界で働く人材が250万人必要といわれています。
しかし、現在の介護人材数ではあと約70万人の不足。
このまま何の対策も取らなければ、2025年になってもさらに約30万人の不足であるという見通しが厚生労働省の調べでわかりました。

また、人材を確保しても、施設同士での優秀な人材の取り合いや、介護業界以外の一般企業への流出等も考えると、30万人程度の不足では済まないとも考えられます。

介護事業最前線

いずれにしても現状のままでは、需要に対して供給が追いつかないことになります。
「賃上げ」や「介護スタッフの待遇改善」など人材確保の対策が急務であると言えます。

このような状況下で、人材不足解消の切り札として注目されているのが「外国人雇用」です。

現在、外国人が働きながら日本の技能を学ぶ「外国人技能実習制度」において「介護福祉士」の取得を目指す外国人研修生については、経済連携協定(EPA)を結んでいるインドネシアやフィリピン、ベトナム等の東南アジアに限定して受け入れています。
ただ、この場合の在留資格は「特定活動」となり、法務大臣が個々に指定する範囲のみしか就労できないため、介護業界で働く目的で外国人が日本に入国し、滞在することはできません。

しかし、今後の介護人材不足の問題により「介護福祉士」の需要が高まっているため、一般的な在留資格を与えることが必要ではないかという議論が行われていました。

2015年1月になり、政府は2016年度から「外国人技能実習制度」の対象となる職種に「介護」を加える方針であることを発表しました。

「外国人技能実習制度」は最長で3年間受け入れる仕組みですが、今後は期間を最長5年に延長し、2016年度には介護実習生の第1陣として中国やベトナムなどから数百人程度を受け入れる予定となっています。

介護現場への受け入れを認める外国人実習生には、円滑なコミュニケーションが取れるよう一定の日本語能力を求める案が出ています。
日常会話の日本語が理解できる「日本語能力試験」の3級合格者を前提条件に調整中です。

また、外国人実習生は介護職に限定し、設立から3年以上経過した特別養護老人ホームなどの介護施設に限り認める方針で、訪問介護は対象外になりそうです。

しかし、外国人雇用により一時的な人材不足は解消できても、生活習慣や文化の違い、日本人介護スタッフとの言葉の壁など、解消すべき問題は山積みです。
施設側の受け入れ態勢が整備できるかどうかという点と、外国人労働者が日本文化に馴染むことができるかという点が、外国人雇用成功のポイントとなるのではないでしょうか。


[記事提供]

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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