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“他でも言えること”でOK。自分たちのWILL(意志)をメッセージにする方法

13.12.15 |

広告の世界ではUSP(自分の強み)が、
基本中の基本だというお話があります。
日本語で言うと
「他が言えない売り込みの効く主張」。
もっと簡単に言えば、
「差別化ポイント」ですね。

しかし、この「他が言えない」
ばかりにこだわるのも考えものです。
広告やチラシで主張すべき特徴は、
あくまでも「売り込みの効く」もので
なければなりません。

佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法

「他が言えない」からという理由だけで、
お客さんがメリットと感じないような
ポイントを取り上げてもそれは意味がないのです。

「でも、さ。そんな、競争相手が言えなくて、
しかもお客さんが喜ぶようなハッキリした特徴なんて、
ウチには無いよ!」と思われる方も多いかもしれません。

そんな時は、具体的な差別化ポイントではなく、
自分たちのWILL(意志)を
メッセージにする方法もあります。

昔風に言えば、
「モットー」に近いかもしれませんが、
自分たちが考える、その仕事への考え方、意志、
フィロソフィーを前面に押し立てて、
コミュニケーションして行く方法です。

この場合、その考え方や意志は、
“他でも言える”ことでも
(今現在主張しているライバルがいないのであれば)、
一向に構いません。

スキンケア用品や石鹸のブランドDove(ダブ)の
アメリカでの広告展開では、製品については一切語らず、
「リアルビューティー」というブランドの
WILL(意志)を語り続けて、大きく成功しています。

Doveが考える「美」についての考え方、
つまり「あなたはあなた自身の美しさを持っている。
(無理に化粧でごまかすのではなく)
あなた自身の美しさを大切にしよう」
というメッセージを送り続けているのです。

この主張を始めるときには、
別のスキンケアの会社にも言えることで、
まったく「他が言えない」ことではありませんでした。

しかし、語り続けることで、
今ではDove=リアルビューティーという
認識が広く行きわたっています。

「医者はとにかく患者の話を
よく聞くべきだと考えている」
「税務は効率が第一。
お客さんの負担をとにかく減らすことが大切」

あなたが、あるいはあなたの会社が、
その業務について考えている
「WILL(意志)」は何でしょうか?

具体的なサービス内容にそんなに差がつかないとしたら、
意志やモットーを前面に押し立てて、
それに賛同してくれるお客さんを募る。

そんな方法も、試してみてはいかがでしょうか。


次回の佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法は
「表現案チェックの定番、
AIDMA(アイドマ)の法則について考える」をお届けします。


[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。


[記事提供]

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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