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不動産を信託すると、どのように名義変更されるのか?

16.02.05 |

家族信託や民事信託の設定によって、不動産を信託財産に加える場合には、登記簿(登記事項証明書)に「受託者」の名前が、管理処分者権限者として記載されます。つまり、信託契約に基づき、「所有者(委託者)」から「受託者」への所有権移転登記手続きが行われます。

ちなみに、登記の目的は以下のように記載されます。 

登記の目的:所有権移転及び信託 
登記の原因:平成○○年○○月○○日信託 
登録免許税:固定資産税評価額の0.4%(平成29年3月31日までは、土地の信託に関しては、固定資産税評価額の0.3%) 

これは形式的な所有権移転といえるため、委託者兼受益者である場合には、実質の財産権は移行していません。つまり「委託者=受益者」として締結された信託契約であれば、財産権が「所有権」から「受益権」という名前に変更しただけで、信託財産の帰属先に変更はありません。 

しかしながら、この後、委託者が認知証になったとしても、所有者欄には、受託者が記載されていますので、受託者の権限で不動産の売却や融資に取り組むことができます。 

<信託契約時における不動産登記に欠かせない信託目録とは?> 

贈与や売買を原因とする所有権移転登記と異なる箇所があります。それは、不動産が信託された場合の登記簿には、信託目録が必ず作成されます。 

信託目録には、受託者が信託により、財産の管理処分権限を持つこと、そして信託で得た収益は受益者に帰属することなどが記されます。 

受託者の権限だけではなく、信託の目的や開始・終了時期などの信託条項は、登記簿にすべて記載され、公示されることになります。 

「受託者にどこまでの管理処分権限があるのか?」「信託監督人などの同権利者が立てられていないのか?」を不動産取引の関係者が確認できるようになっています。 

このように信託条項には、詳細に決められた信託契約の内容が記載され、不正のないように配慮がなされています。ちなみに、信託条項に何を記載するのかは司法書士の判断によって分かれます。 


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