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2016年診療報酬改定を振り返る(5)・・・歯科診療所への影響

17.02.03 |

診療報酬の改定とは別に、2015年には医療法改正が行われ、「地域医療連携推進法人」が創設されました。ここ最近、「社会医療法人制度」や「医療法人分割制度」などが創設され、医療法人の制度に対する改革が相次いでいます。

今回創設された「地域医療連携推進法人」は、地域の各種法人が形成するホールディングカンパニーといったもので、文字通り地域医療の連携を推進することが狙いとなっています。これらの改革は、歯科診療所にとってどの様な影響を及ぼすのでしょうか。

▼病院だけが対象の制度改革▼


地域医療・介護の方向性は「普段は在宅、時々入院」という言葉に表されるように、入院から在宅へと流れています。その流れのなかで、在宅診療を担う医療機関としての医科歯科診療所は非常に重要な存在です。
「診療所が重要だ」という認識は、新たに「在宅医療専門診療所」、「在宅歯科医療専門診療所」が作られたことからも、現場だけに共有されたものではないことが窺えます。

しかし、この「地域医療連携推進法人」という新制度において、果たして、重要であるはずの診療所は視野に入っているのでしょうか?
残念ながら、あくまで病院中心の制度改革であると言わざるを得ません。まして歯科診療所となると、まったく関係ない話と考えてしまうのも当然です。

最初期に提唱されていた「ホールディングカンパニー型」であれば、確かに歯科診療所も巻き込んだ制度の活用が見込まれました。
しかし、紆余曲折の末に辿り着いた、地域病院を中心とした、「非営利性」が担保された「地域医療推進」のための連携というこの制度には、歯科診療所の入る余地はあまりありません。また、制度自体の活用も、現時点では社会医療法人における法人税の様な強いモチベーションとなるものがないだけに、疑問視されています。

 

▼今後の展開に期待▼


とはいえ、「診療所が重要だ」という認識が、浸透しつつあるのは確かです。また、遠方の小さな波と思っていたものが、知らないうちに大きな津波となって押し寄せることもあります。
地域医療を推進するための改革は、今後もなされていくでしょう。波の情報には、常に耳をそばだてておきましょう。


クリニック経営、次の一手


[プロフィール] 
フォーユーメディカル株式会社 取締役副社長 長田耕一 
アットベネフィット事業部では、医療・介護従事者のための福利厚生サービス「@Benefit」として、歯科医院スタッフにも大企業社員並みの福利厚生をさらに医療・介護分野だけの特別プログラムをプラスして提供しています。
@Benefit(アットベネフィット)
営業スタッフは、医療介護福祉事業に特化した採用・求人から教育・評価までをサポートする人材戦略コンサルタントとしても活躍中。

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