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スタンダードをどこに置くのかが大事

17.02.24 |

スポーツの新シーズンが到来している。サッカーJリーグが2月下旬に開幕し、プロ野球は間もなくオープン戦へ突入する。 

新たなシーズンを迎えるチームは、スローガンやキャッチフレーズを掲げる。それぞれの目標を短い言葉に込めるのだが、スタンダードをどこに置くのかは重要だ。

日本一を目指すチームと、世界一に照準を置くチームとでは、スタンダードが違うはずだ。
練習量もその中身も、『スタンダード=自分たちの基準』によって変わってくる。 
もう少し補足すれば、自分たちが目標を達成するため、自分たちが個性を発揮するための基準が、ここで言うスタンダードである。 

2016-17シーズンのラグビートップリーグでチャンピオンに輝き、日本選手権でも優勝を飾ったサントリーサンゴリアスの沢木敬介監督は、チームのスタンダードを「インターナショナル」に置いた。 
「サントリーのラグビーはこうだ」というスタンダードに縛られると、それができていれば納得する気持ちが芽生える。「自分たちのラグビー」をスタンダードにすることで、進化が阻害されてしまう恐れを感じたからだった。 

ビジネスの世界でも、同じことが言えるはずだ。自分たちの仕事の進め方はあるとしても、そればかりに固執すると成長を止めかねない。 
内向きの仕事の進め方で満足しないためにも、スタンダードを外へ向けるのは効果的だろう。 

たとえば、直近のプレゼンで競合するライバルに勝つためでなく、より大きな案件をつかむことをスタンダードにすれば──自分たちのやり方を大事にしながら、新しい視点を取り入れるムードが生まれてくるはずだ。 

スタンダードの設定次第で、組織は活性化していくのである。 



スポーツの視点からみる人的資源 


●プロフィール● 
戸塚 啓 とつか・けい 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。

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