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「代襲相続」と「数次相続」の違いはどこにある?

17.05.02 |

遺産分割協議は相続人全員で行われなければなりません。相続人のうちの一人でも欠けた状態で協議を行ってしまうと、その遺産分割協議自体無効となってしまいます。 

相続手続きにおいて、相続人を確定させる作業は非常に重要で、相続手続きの出発点と言えます。 

そして、相続人を確定させる上で間違えやすいのが「代襲相続」と「数次相続」の違いです。今回はその違いについて説明していきます。 

■「代襲相続」は「子」と「兄弟姉妹」で違いがある 
まず、「代襲相続」とは、推定相続人である子または兄弟姉妹が、相続開始以前にすでに死亡しているときに、その者の子が、その者に代わって相続することを言います。 

例えば、被相続人Aの子Bが、Aと同時あるいはそれよりも前に死亡していれば、Bの子Cが、Bを代襲して相続人となります(例1)。 

「子または兄弟姉妹」と太文字にしてありますが、「子と兄弟姉妹」と違いがあります。上記の例で、Bの子CもAの死亡以前に死亡している場合、Cの子DがいればさらにそのDも代襲相続を原因として、相続人となります。これを再代襲といいます(例2)。 

一方、兄弟姉妹の場合、Eの兄・甲と甲の子・乙がすでに死亡している場合、乙の子・丙は再代襲とならず、相続人になることはありません(例3)。ここは注意すべきポイントです。 


■いたずらに相続手続きを放置すると「数次相続」が起きて相続人が増える 
次に、「数次相続」とは、被相続人が死亡して相続が開始したものの、遺産分割協議を終える前に、相続人が死亡し、二次相続が開始することを言います。 

例えば、Fが死亡し、その子Gが相続人となったにもかかわらず、遺産分割協議を終える前にGが死亡すると、二次相続が開始し、Gの相続人H、I、JがFの相続人となります(例4)。 

被相続人が死亡した後、相続手続きを数年間放置していたりすると、この数次相続により、相続人の数が非常に増えてしまうことがあります。 

「相続手続きはお早めに」というキャッチコピーを目にすることがあると思います。それは数次相続によって相続人の数が増え、遺産分割協議がまとまらなくなるケースがあることも影響しているのです。 


■「代襲相続」と「数次相続」を勘違いすると相続人の顔ぶれが大きく変わる 
「代襲相続」と「数次相続」の大きな違いは、被相続人の死亡日を基準として、推定相続人が先に亡くなったか、後に亡くなったのかということです。 

ここを勘違いすると相続人の顔ぶれが大きく変わってしまいます。被相続人と推定相続人の死亡日についての先後関係が、相続人確定に大きな影響を及ぼすということを覚えておきましょう。 


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