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公平な評価はできない!? 360度評価にひそむ落とし穴

17.06.16 |

直属の上司だけでなく、同僚、部下、他部署の関係者といったさまざまな人たちと互いに評価し合う“360度評価”。

企業規模にかかわらず、多くの企業が導入をしています。

「360度評価を活用すれば直属の上司だけが評価するよりも公平な評価ができる」と考え、昇進・昇給などの判断材料にしている経営者、人事担当者は多いかもしれませんが、「360度評価」には見落とされがちな落とし穴が…。

結論から言うと、360度評価は“給与に直結する人事評価”としては適していません。

その理由は3つあります。

1.評価基準が個人によって変わる

評価基準は人によってさまざまです。360度診断は個人の主観に任せた評価になりやすく、評価相手を好き嫌いで判断してしまいかねません。

また、評価相手への期待値によって変化するので、期待値が高い相手だと評価が厳しく、期待値が低い相手だと評価が甘くなってしまいます。

期待値も評価する個人によって変わる主観的で曖昧なものなので、均一の評価を適用することは難しいでしょう。


2.人付き合いによって評価が変わってしまう

360度評価は人気投票になる可能性があります。

成果を上げていなくても人付き合いがいい人の評価が高くなり、成果を出していたとしても人付き合いの悪い人の評価が低くなることがあります。

上司の人望を図るには適しているかもしれませんが、この評価が給与に反映されるとなると不満を訴える社員が出てきてもおかしくありません。


3.評価前に対策をできる

360度評価が行われる少し前に上司から食事をご馳走してもらえたとしたら、あなたはその上司に対してどのような評価をつけるでしょうか?

低い評価をつけることができる部下はどれくらいいるでしょうか?

また社員同士で結託して、評価の操作を行うリスクもあります。360度評価は、社員個人が事前に対策しやすい評価方法なのです。


社員の強みや改善点を見つけ出せるのが360度評価のよいところですので、人材育成や人事配置の判断材料としては有益なデータになるでしょう。しかし給与評価に関しては、かなりの配慮が必要になってきます。


企業成長のための人的資源熟考

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