マーケティング論の基本中の基本「4P理論」を、ここで改めて勉強しましょう。① 

アメリカのマーケティング学者E.J.マッカーシー教授が1960年に提唱した、マーケティング論の中で有名な理論のひとつ「4P理論」。
学生時代に商学部や経営学部で勉強された方なら、懐かしく感じられるかもしれません。

4Pとは、"Product" "Place" "Promotion" "Price"の4つの頭文字を取っています。

この4つのPを上手に組み合わせれば、的確なマーケティング戦略を組み立てられるのです。




沼上幹氏の『わかりやすいマーケティング戦略』(有斐閣、2008)にそって、4Pについて解説をしていきます。
  

公開日:2017/06/30

まずはProductから見ていきましょう。

Productを直訳すると「製品」ですが、形のある製品でない場合も多いでしょう。
たとえば、お店を開いて運営しているのであれば、お店で提供するもの(料理や店内の居心地、店員の接客などを含む)全般がProductになります。

Productは、さらに「本質サービス」「補助的サービス」の2つに分けられます。

本質サービスとは何でしょうか?

顧客は、製品の物理的な特徴そのものを購入しているわけではありません。
製品に対して顧客が満足するのは、その製品が顧客に特定のサービスを提供したときです。

自動車であれば、"移動手段"を顧客に提供できます。

人によっては、「自分がお金持ちだ」と示すための"威厳"や、休日の時間つぶしとなる"趣味"を提供してくれると感じるかもしれません。

マクドナルドのハンバーガーも「ハンバーガーそのものが美味しいから」だけで売れているのではないと考えられます。
マクドナルドが提供しているサービスには、"1分以内という早いスピードで食品が手に入る"という側面もあるのです。

口紅はどうでしょうか?
女性は、"唇を赤くする"という物理的な特性を購入しているわけではありません。
彼女たちは"美しくなるという夢"を買っているのだと言えるわけです。

次に、都心のデパートを見ていきましょう。
都心のデパートの競合が他店舗やスーパーではなく、東京ディズニーランドと考えてみてください。
都心のデパートが提供しているサービスが、"探しているものが何でも見つかる豊富な品揃え"ではなく、"家族全員が楽しんで時間を潰せるレジャー空間"に変わったと思います。

マーケティング戦略を立てる際は、製品の物理的な特徴だけを捉えるのではなく、「製品が顧客からどのような満足を引き出しているのか」を考える必要があると言われています。
製品は「さまざまな満足を引き出すことのできる便益の束」だと考える必要があるわけです。

あなたのビジネスのProduct(製品)の本質サービスは、何でしょうか?
一度じっくり考えてみるのも良いのではないでしょうか。

次回は、Productの「補助的サービス」を中心に、4P理論の勉強を続けて行きたいと思います。



佐藤達郎のマーケティング論


●プロフィール●
佐藤達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。