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1人でも「5月病」「6月病」になると全社員に感染する可能性が… 介護スタッフへのメンタル対策とは!?

17.07.07 |

「5月病」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
4月に入社した新入社員が、配置転換や部署異動が行われる5月ごろにメンタルが落ち込んでしまう病気です。原因としては、「環境に馴染めない」ことなどが挙げられます。 

ただ最近では、5月まで時間をかけて研修をしてから6月に正式な配属をする企業もあります。そのことから時期が1ヵ月ずれて「6月病」にかかる人が増えてきているとのこと。 

特に人材不足である介護の現場では、「想像とのギャップが大きい」「忙しくて休む暇がない」「仕事をゆっくり教えてもらえない」といった理由から「6月病」の症状を訴える人が増えています。 

退職者や休業者が増えると利用者への満足なサポートができません。大きな問題に発展する前に対策を考えましょう。

「5月病」や「6月病」を医学では「適応障害」に分類し、急激な環境の変化についていけずに心や体に不調を感じる状態のことを指します。

「5月病」「6月病」の症状は以下となります。




<体調面> 
・疲れやすい 
・だるい 
・体が重い 
・不眠 
・寝つきが悪い 
・朝起きられない 
・食欲不振 
・頭痛、  
・肩こり 
・めまい 
・吐き気 
・下痢 
・腹痛 など…… 

<情緒面> 
・やる気がでない 
・集中力低下 
・不安感 
・落ち込む 
・イライラ感 
・情緒不安定 など…… 

このような症状が深刻化すると、「うつ病」や「統合失調症」などの精神疾患に陥ってしまう可能性が高くなり、仕事を続けることが困難になる場合もあります。
また、「5月病」「6月病」になったスタッフをサポートすることが周囲への大きな負担となり、「5月病」「6月病」にかかっていない社員が不満を募らせることもあるようです。
「5月病」「6月病」になったのが1人だったとしても、負のスパイラルに陥る可能性があるのです。 

では、介護事業所としてどんな対策が必要かを考えてみましょう。
対策は「予防」「早期発見」「フォローアップ」の3つの段階で分けられます。
それぞれの対策事例は以下となります。 

<予防> 
・メンター制度を導入して、仕事に対する不安を軽減 
・インターン制度を活用して、入社前に現場の仕事を触れさせる 

<早期発見> 
・ストレスチェック制度の実施 
・定期的な面談によって、密なコミュニケーションを取る 

<フォローアップ> 
・専門医療機関(メンタルクリニック等)での早期受診 
・リハビリ勤務制度の導入 

この中で、最も重要なのが「予防」ではないでしょうか。
問題が起こっていないときは気を緩めてしまいがちになりますが、“予防”こそ最大の対策になります。 

介護現場ではゆっくり教える時間がないかもしれませんが、満足な知識や実践経験がない新入社員はストレスを非常に感じやすいです。
事業所のなかにはメンター制度(会社や部署の上司とは別に指導・相談役となる先輩社員が新入社員をサポートする制度)を導入して、新入社員の不安や悩みの解消しているところもあります。 

十分な対策を行っても、社員が「5月病」「6月病」を発生する可能性はあります。
発症者が出た場合は、産業医や保健師などの専門家とも連携を図りながら、時間をかけてメンタルケアをしていかなければいけません。 


介護事業最前線

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