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新たな建築需要の柱になるか? “小規模不動産特定共同事業”が今話題!

17.08.04 |

総務省統計局の調べによると2013年10月1日現在、日本の総住宅戸数は6063万戸で、そのうち空き家は820万戸。総住宅数に占める空き家の割合を示す、空き家率は13.5%となり、空き家数、空き家率ともに過去最高になりました。 

今後、急激な人口減少が進む日本では、さらに空き家が増加する可能性があり、国は空き家対策に本腰を入れて取り掛かっています。 

こうした空き家対策の一環として最近注目を集めているのが“小規模不動産特定共同事業”です。

小規模不動産特定共同事業とは、宅地建物取引業の免許を持った不動産会社が複数の投資家から出資を募り、不動産を取得。
取得した不動産から得られる家賃収入や物件の売却などの収益を出資金額に応じて投資家に分配する仕組みです。 

事業主体である不動産会社は不動産取得のリスクを抑えられ、非常に魅力的なビジネスです。 

政府は、全国で発生している空き家対策の一環として、この事業の規制緩和に乗り出しています。 

たとえば、投資家から出資を募る際、クラウドファンディングが主流になりつつあることから、クラウドファンディングに対応した環境の規制緩和を行い、投資家との契約の書面をネット上で手続きできるようになりました。 

また、大規模な投資先が多かったために、投資家を募る不動産会社を許認可制にして規制していましたが、そうした規制が緩和されています。 

小規模不動産特定共同事業に乗り出している不動産会社も多く、今後は新たな建築需要が増加することが見込まれています。 

クラウドファンディングを活用した事例では、1口5万円で3口から京町家に投資する案件があります。
募集した途端、人気が高くてすぐに目標額に到達。
2018年1月からの開業を目指し、物件の購入と改修が行われるとされています。 

京町家の案件に投資した個人投資家の半数以上は不動産投資の経験のない初心者。
日本を再生するような不動産に投資したいという意欲が高いことをうかがわせます。 

建設から売買、仲介、管理まで総合的に行う地方の不動産会社も小規模不動産特定事業に進出。
個人投資家から集めた資金で駅前などの好立地に土地を買い、賃貸需要が見込まれるマンションを建築しているケースも増えています。 

たとえば、ある四国の総合不動産会社では、転勤需要が見込まれる駅前に好立地の物件を建築。
1口100万円で5口から小口化して、個人投資家に販売しています。
さらに、九州や関西地区まで事業を広げ、オフィスビルやホテルなどの開発も検討しているといいます。 

アベノミクスの影響で超低金利が続き、不動産投資は一大ブームになっています。
金融庁による監督が行われ、一時、下火になりましたが、まだまだ不動産に投資をしたいという個人投資家は多いといえます。 

今後はこうした小規模不動産特定事業の建築需要が増加していくのではないかと考えられます。


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