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コンテンツ・マーケティングって何だ? 動画コンテンツを中心に:その1

15.02.04 |

いま、広告界・マーケティング界をにぎわしているキーワードのひとつが、コンテンツ・マーケティングです。
しかし、このキーワードは、字面を見たり耳にするだけでは、かなり理解しづらい部分があります。

そこで「コンテンツ・マーケティング」とは何か?
について、その考え方や登場の背景、そして具体例も含めてご紹介していきたいと思います。

佐藤達郎のマーケティング論

ここで言う“コンテンツ”は、英語のContent(※「s」は付けないので実際の発音はコンテント)。
内容物、(容器の)中身、(文書の)内容といった意味で、番組も記事もアニメも、すべて“コンテンツ”と呼べるわけです。

そういう意味で、従来のテレビCMも新聞広告も、“内容”だけに注目すれば、“コンテンツ”と呼べるはずです。
しかし一般に、テレビCMや新聞広告を活用したマーケティングは、「コンテンツ・マーケティング」とは呼ばれません。

こういった従来の広告以外の、なんらかの“コンテンツ”を中心にしたマーケティングをコンテンツ・マーケティングと呼ぶのが一般的です。
このなんらかの“コンテンツ”は、考え方としてはゲームでもイベントでもなんでも良いのですが、インターネットで見てもらうための動画(オンライン動画とか動画コンテンツと呼ばれます)であるケースが多く見られます。

具体的な例で見てみましょう。サントリーの「C.C.レモン」という飲み物をご存知だと思います。
そのC.C.レモンが仕掛けたのが、「忍者女子高生」という動画コンテンツです。

3分30秒にも及ぶこの動画コンテンツは、ごく普通の女子高生(制服姿)のアップから始まります。
もう一人の女子高生が、スマートフォンの動画機能で撮影している様子。
ふざけて逃げ出す最初の女子高生。
撮影しながら追いかけるもう一人の女子高生。
追いかけっこは徐々にエスカレートし、外階段から飛び降り、路地裏を駆け抜け、前転やバック転をしながら追いかけます。
ついには神社の屋根やビルからくるくる回りながら飛び、最後は砂浜で追いついて、2人でグルグル回りながら、追いかけっこ遊びは終了。
一緒に砂浜に腰かけたところで、追いかけていた方の女子高生が持っていたリュックの中からC.C.レモンを取り出します。
このシーンがだいたい終了の20秒ほど前。
最後の最後にやっと商品の登場です。
しかも、キャップを開けると、C.C.レモンの中味が勢いよく吹き出します。
楽しそうな2人の女子高生。
ここで動画は終了です。

この動画コンテンツは、YouTubeですでに700万回近くも再生されています。
「忍者女子高生」で検索すればすぐに見つかるので、ぜひ見てみてください。

次回も、他の事例も紹介しながら、コンテンツ・マーケティング、そして動画コンテンツについて考えていきたいと思います。


[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。

[記事提供]

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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