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「前例」にとらわれない

16.04.28 |

打ち合わせやミーティングの席で、「いったん社へ持ち帰って検討します」というフレーズを聞くことは多い。聞くだけでなく自分で使っているリーダーも多いだろう。

興味深いアイディアや企画でも、ひとまず会社で検討する──ビジネスにおいては、なかばセオリーのようになっている。

「持ち帰る」理由は、複数あるだろう。

「上司の判断を仰ぐ」とか、「費用対効果を計算する」といった理由の根本には、「前例がない」という現実があるのではないだろうか。いままで自社でやったことがなく、競合他社もやっていないので慎重な判断が必要だ、という発想がある気がする。 

差別化の第一歩は、前例にとらわれないことだ。いままでとは違う取り組みをするからこそ、それまで到達しなかった成果にたどり着くことができる。もちろん失敗もあるだろうが、現状打破のきっかけになるのは間違いない。 

スポーツの世界においても、革新をもたらしたチームや選手は、前例にとらわれていないものだ。野茂英雄さんのトルネード投法も、イチロー選手の振り子打法も、当初は常識外と言われたものだった。 

打ち合わせの席上で「これはいいアイディアだ」と思われるものでも、会社へ戻って揉んでいるうちに、前例というフィルターにかかってしまうことがある。結果的に角の取れた平均的な企画へ着地してしまい、他社との差別化を図れない、ということになりかねない。 

前例に縛られない。 
目立つことを恐れない。 
成果を生み出すために、リーダーが心得るべき条件である。 


スポーツの視点からみる人的資源 


[プロフィール] 
戸塚 啓(とつか・けい) 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。 

[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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