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【事務長職を設けてうまく機能させるポイント】

16.11.24 |

クリニックを開業しても、人材確保や業者との交渉など、気がつけば管理や雑務といった診療行為以外の業務に追われている院長先生は少なくありません。そこで昨今はクリニックでも病院同様に、事務長職を設けて診療以外の業務を管理してもらうケースが増えています。

しかし、制度がうまく機能せずに事務長が退職してしまう例も少なくないと言われています。事務長制度を機能させるのは、院長先生の重要な仕事です。事務長に対する意識づけと働きかけが欠かせません。

<失敗の最大要因は事務長というポジションの低さにあり>

クリニックが事務長職を設けて失敗してしまう大きな要因のひとつが、他の職種よりもポジションづけが低い点にあります。事務長として雇用したはいいけれど、雑務ばかりで管理職の権限が与えていなかったりすると、うまくいきません。
看護師や臨床検査技師などの職種は、その行為が診療報酬上で評価され、クリニックの収入につながっていきます。しかし、事務長の業務は収入に直結するわけではありません。「非生産職」という認識がクリニック中に浸透し、事務長は現場に言いたいことも言えずにモチベーションが下がり、退職に追い込まれてしまうのです。

<事務長を「立てる」演出が不可欠>

事務長は院長先生にとってクリニックというビジネスのパートナーです。診療以外のマネジメント業務を一切引き受けてもらう大事な存在なのです。
事務長を採用する際には、業務内容と権限を明確にしましょう。業務をどの範囲まで任せて、どこまで権限を委譲するのかを明確にします。業務範囲と権限があいまいだと、事務長本人が困惑し、周囲も「あの人の仕事は何なの?」と頼りなく思うでしょう。
また、事務長というからには、クリニック内での地位を高くする必要があります。「事務長がいるおかげで、スムーズに業務ができる」という意識をスタッフ全員に浸透させる工夫を凝らしましょう。
そのためには事務長を「立てる」演出が欠かせません。スタッフたちの前では、事務長を叱ってはいけません。事務長が言ったことを基本的には否定しないようにしましょう。厳しく指導したいときは、スタッフがいない空間で1対1になることが大切です。また、スタッフに厳しい要求をするときも、基本的には事務長に言ってもらいましょう。こうすることで、事務長のポジションが上がり、事務長の機能がうまく回っていくのです。
大半の院長先生は、診療行為をしたくてクリニックを開業しています。経営やマネジメントをやりたくて開業するケースはほとんどないでしょう。それゆえ、クリニックの経営を任せる事務長をうまく機能させることが不可欠。院長先生の心掛けにかかっています。

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