税理士法人SKC

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稀勢の里関に感動

17.03.27 | 堺俊治の独り言的情報

  横綱になるまでは、肝心な時にあっけなく敗れてしまい、私はどこか心もとないところを感じていた稀勢の里関でした。今場所も13日目の左胸部の負傷で、殆ど左腕は使えないような状態で休場をせずに14日目を取り、鶴竜関にあっけなく敗れた時、千秋楽も勝つのは無理と思いました。私は、新横綱としてのプレッシャーと責任感だけで休場しないだけではないかと思っていました。

  この1ヶ月ほど、TV報道に不快感を感じることが実に多く、先日も某大学の学長とワイドショーのあまりの酷さを共感しあったところでした。森友学園報道でコメンテーターと称する芸能人やタレントが鬼の首を取ったようなしたり顔で疑惑をあおるかのようなコメントをしている様は、不快でしかありません。TV報道やワイドショーを見るだけで政治を判断するような方々がどれくらいいるのかわかりませんが、今国会は予算審議の国会であって、疑惑をあおりまくっても鼠一匹も出てこないような問題に(ワイドショー的には面白いのでしょうかねぇ)時間を費やして、大切な国家予算の審議がないがしろにされると、国民は次の国家予算の何が重要な課題で、何にどのように歳入が配分されようとしているのか等に関心を持てないのではないかと心配してしまいます。森友学園問題で疑惑があるとして追及している野党の議員の方々は、支持率の高い安倍政権のイメージダウンを寄ってたかって謀りたいのでしょうが、予算の審議に時間をかけることで、野党としての政策や方針を明確にしなければ、支持しようにも、ただの「もんくいい」を支持しようがないと思うのですが・・・。

  こんなことで、不快な心持が続いていた最中、稀勢の里関の優勝は、私の気持ちを何とさわやかにさせてくれたことでしょうか。私が横綱に感じていた、プレシャーと責任感だけで休場しないだけではないかとの思惑を完全に覆し、最後まで優勝をあきらめないで相撲を取りきるという信念があったのでした。

  私は本割で勝っただけで、「すごい、よくやったな」と感動していました。そして優勝決定戦はどこまで善戦できるかという気持ちで観戦していました。実は14日目に稀勢の里関が負けた時から本場所は照ノ富士関が優勝すると思っていましたし、本割で稀勢の里関が勝てるとも思っていませんでした。にもかかわらず、優勝決定戦でも、どこまで善戦できるかとしか思っていなかった私の思惑をさらに大きく覆して優勝してしまいました。この右手一本で優勝を決めた相撲は本当にすごいですね。確かに照ノ富士関が左足を痛めていたことも幸いしたかもしれませんが、「千秋楽にあり得ない力が出た」とご本人がインタビューで話したように、稀勢の里関の最後まであきらめないで取りきるという強い信念が生み出した力といっていいのでしょう。

  そう思うと、政治家の支持率の高さは信念の強さの反映なのかもしれません。籠池氏を当初はいかがわしい人物として扱っていた野党議員の方々が、籠池氏が反安倍に反転したとたんに笑顔で籠池氏と一緒にTVカメラに収まっている姿を見ると、この方々に信念はないのだろうか、政局に有利と判断すれば誰とでもその時々の都合で連携するということなのだろうかと思わずにはいれません。そういうのをご都合主義というのではないでしょうか。そこには信念を貫き通すことで人の心を動かす力は無いと思うのです。

 「奇跡の逆転優勝」は、きっと最後まであきらめなかった信念の強さと誠実さが生み出したものです。稀勢の里関、二場所連続優勝おめでとうございます。

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