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セルフメディケーション税制始まりました!

17.04.05 | 【税務】

医療費控除の特例として2017年1月からスタートしたセルフメディケーション税制について紹介していきます

今年に入り、ドラッグストア等で受け取ったレシートに、「●印はセルフメディケーション税制対象商品です」等という表記がされていることにお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
医療費控除の特例として2017年1月からスタートしたこの制度について紹介していきます。


~制度の概要~
「一定の取組」をした個人が、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る特定の成分を含んだ「スイッチOTC医薬品」を購入し、その購入額が年間1万2千円を超えた場合、その超えた金額(8万8千円が限度)について所得控除が受けられる制度です。

セルフメディケーションという名称通り、自身の健康維持に取組み、軽い症状等であれば自身で手当をし健康管理をする、ということに対して受けることが出来るものです。

~対象となる方~
セルフメディケーション税制を受けようとする年分に、「一定の取組」をした方が対象となります。
「一定の取組」とは、健康維持管理の取組として行う以下のものが該当します。
①保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査《人間ドッグ、各種健診等》
②市町村が健康増進事業として行う健康診査《生活保護受給者等を対象とする健康診査》
③予防接種《定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種》
④勤務先で実施する定期健康診断《事業主検診》
⑤特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保険指導
⑥市町村が健康増進事業として実施するがん検診

※申告をされる方が「一定の取組」を行っていることが要件であり、生計を一にする配偶者
 その他の親族については要件となっていません。
※「一定の取組」を行った証明書類として、健診費用の領収書や結果通知書、予防接種費用の領収書等を
 確定申告書に貼付するか、提示する必要があります。


~対象となる「スイッチOTC医薬品」とは~
もともと医師が処方していた薬を薬局やドラッグストア等で一般に販売できるように転用された医薬品のことをいいます。
厚生労働省のホームページに対象品目一覧が公表されており、一般によく知られている市販薬も対象となっているようです。
また、制度の施行に伴い、製品パッケージに対象製品であることを示す識別マークが表示されているものもあります。(表示は法的義務でないため、生産上の都合等、全ての製品に表示されているものではありません)
レシートには、対象製品であることが表記されるようになっています。


~従来の医療費控除との選択適用~
従来の医療費控除とセルフメディケーション税制の両方を受けることは出来ませんので
どちらか有利なほうを選択することになります。

例えば、医療機関の診療費等の年間医療費が5万円、OTC医薬品の年間購入額が7万円
だった場合
 医療費控除 →      (5万円+7万円) - 10万円  = 2万円
 セルフメディケーション税制  →  7万円  - 1万2千円 = 5万8千円
 となりますので、セルフメディケーション税制を選択したほうが有利となります。

※医療費控除は10万円と総所得金額の5%のいずれか低い金額を超えた部分について
 受けることが出来るものですので、所得金額によっては医療費控除のほうが有利な場合が
 あります。

※減税額の目安は、5万8千円(控除額)に税率を乗じた金額です。
 所得税の税率は所得に応じて5%~45%、住民税の税率は10%です。


~手続き~
年末調整では受けることが出来ませんので、必ず確定申告が必要です。
注意点としては、ふるさと納税をされていて、ワンストップ税制を利用している場合です。
確定申告をするとワンストップ税制の方は無効となってしまいますので、
寄付金控除についても、併せて確定申告でお手続き下さい。

~さいごに~
高齢化が進む中、個人の健康管理の意識が高まることで、国の医療費の抑制効果も期待される
この制度。
従来の医療費控除に比べ、金額面でもハードルは低く、利用しやすい内容となっています。
医薬品をよく購入されるという方は、まずは、領収書を保管してみてはいかがでしょうか。

なお、セルフメディケーション税制は2017年1月(来年申告分)から2021年12月までの時限措置とされています。

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