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いろいろあります!自宅の譲渡に関する特例 ~損失が出た場合~

17.07.10 | 【税務】

土地や建物等を譲渡した場合は、給与や他の所得とは区別して課税がされることとなります。
自宅を譲渡した場合の特例について、譲渡により損失が出た場合の取扱いについてみていきましょう。

土地や建物等を譲渡した場合は、給与や他の所得とは区別して課税がされることとなります。
今回は、自宅を譲渡した場合の特例について、譲渡により損失が出た場合の取扱いについてみていきましょう。
まずは、おさらいとして共通事項の確認です。

《1》自宅の譲渡の特例における共通事項
①自宅とは・・・
 自分が住んでいた家屋又は家屋の敷地をいい、敷地については家屋とともに譲渡した場合のみが特例の対象となります。 また、住まなくなってから3年目の年の12月31日までに譲渡した家屋又は家屋の敷地も、自宅として特例の対象となります。
②親族に対する譲渡は対象となりません
 親子や夫婦、生計を一にする親族などの特殊な関係者に対する譲渡は、特例が受けられません。
③重複して受けることは出来ません
 その譲渡について、特例を重複して適用することは出来ませんし、譲渡した年の前年及び前々年に、自宅の譲渡に関する特例を受けたことがある場合は、特例を受けることは出来ません。

《2》通常の土地や建物等の譲渡損について
通常、譲渡所得がマイナスになった場合、譲渡損は他の土地や建物等の譲渡益と相殺することは出来ますが、給与等の他の所得から差し引くことは出来ません。

《3》自宅を譲渡して損失が出た場合の特例
①住宅ローンが残っている自宅を譲渡した場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
次の要件を満たす場合は、その損失額(譲渡資産の住宅ローン残高が譲渡価額を超える金額を限度)を、その年の他の所得から差引くことが出来ます。
また、引ききれなかった損失額は一定の要件のもと、翌年以降3年間にわたり繰り越すことが出来ます。
《要件》
・譲渡した自宅が、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年超であること
・譲渡契約の前日において、譲渡した自宅の住宅ローンの残高があること
・損失の繰越控除を受けようとする年の合計所得金額が3,000万円以下であること
・譲渡の年もしくは前年以前3年内に《3》①②を受けたことがないこと

②自宅を買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
次の要件を満たす場合は、その損失額をその年の他の所得から差引くことが出来ます。また、引ききれなかった損失額は一定の要件のもと、翌年以降3年間にわたり繰り越すことが出来ます。
《要件》
・譲渡した自宅が、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年超であること
・買換えた自宅について、その譲渡の前年から翌年末までに取得をし居住すること
・その年12月31日において、買換えた自宅の住宅ローンがあること
・損失の繰越控除を受けようとする年の合計所得金額が3,000万円以下であること
・譲渡の年もしくは前年以前3年内に《3》①②を受けたことがないこと

《4》住宅ローン控除との併用適用について
前回、自宅の譲渡益に関する特例を受ける場合は、住宅ローン控除を受けられない旨紹介をしましたが、《3》の譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例を受ける場合でも、住宅ローン控除を併用して受けることが出来ます。

《5》最後に・・・
特例を受けるためには、必ず確定申告が必要になります。要件については、詳細にわたる規定があり、また、複数の特例要件に該当する場合もあるため、どの特例を受けた方が有利になるのかは、慎重に検討する必要があるでしょう。

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