税理士法人SKC

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金正恩体制はどこまで続く

17.09.23 | 堺俊治の独り言的情報

30代で一国のカリスマになり得るためには、想像を超えた忍耐と謀略が必要だと思わずにはいれません。金正恩委員長は政権を継承して以来、国外に出ず、諸外国の首脳の誰とも会っていません。この状況では、政治経験が全くの無かったトランプ大統領が安倍首相を頼りにしているように、頼りになる先輩政治家が現れることは考えられません。時間を追うごとに孤独感。孤立感はより深まっていくのではないでしょうか?

   金正恩政権は、政権を継承して以来、伯父で最側近と言われた張成澤の公開処刑を含め、300名以上の粛清を行ってきたと言われています。クーデターや暗殺を恐れるが故の粛清は、側近や国民を恐怖で従わせ、恐怖で忠誠を誓わせているという状態なのでしょう。かつて戦国武将が、反逆者の一族郎党を皆殺しにした様子と似たものがあります。もはやその時代から300年を超えているのですが。

 若年で政権についた金正恩委員長には指導者としての何の箔もありません。だからこそ、祖父金日成、父金正日の念願であった核武装とICBMの保有を金正恩政権で達成することが、金正恩委員長の最大の箔になるということでしょう。建国以来の念願を、金正恩委員長が達成するという偉大な指導者の証は目の前ということではないでしょうか。それが故、核弾頭ICBMの完成は必ずやり遂げなければならないことだと思います。この完成に費やした犠牲の大きさからすれば、これを中断すると、金正恩政権の崩壊につながりかねないと感じていることでしょう。

 その結果、金正恩委員長は米軍からの攻撃を恐れ、地下施設内を日々移動し、国内では暗殺の恐れで粛清を続けていかなければならないのです。また北朝鮮国民は核ミサイル開発最優先のため、生活が困窮を極めているともいわれています。この国民の状態は国連の制裁決議でなお一層厳しいものになるでしょう。

 金正恩委員長は、指導者として偉大であることを国民には証明し続け、核保有国として米国と肩を並べることで、自身の安寧と保身を手に入れようとしているのでしょうが、国民がどこまで耐えられるのだろうか。私のような孤独や寂しさに耐えられない、忍耐力に乏しい者には、とても金正恩委員長が立つ、忍耐と孤独の崖っぷちには立ち続けられそうもありません。

 一説には、北朝鮮の困窮が極まった軍や国民の間に、こんな状態が続くくらいならいっそ戦争を始めた方がいいという風潮が出始めているとも言います。かつて日本がABCD包囲網と呼ばれた国際連盟による対日経済制裁によって石油を絶たれた際の、日本国民の風潮と似てるような気がします。あの当時は、もはや米国と一戦交えるしかないという日本国民の風潮も、真珠湾攻撃を後押ししています。米国はこれまで戦端を開いた時と同様に、相手を追い詰めて、耐えられなくなった相手が仕掛けてくるのを待っているのでしょうか。なんだかそんな気もしてきますね。

 ここまでくると、どの選択肢が「最も犠牲が少ないか」という視点から考えるしかないという論調に頷かざるを得ない気がしてきます。

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