税理士法人SKC

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深山の桜

17.10.20 | 堺俊治の独り言的情報

本書は南スーダンにPKOで派遣された自衛隊員の物語です。読み終えた時、あふれる涙を抑えきれませんでした。「永遠のゼロ」以来の久しぶりの涙でした。

南スーダンの自衛隊宿営地で頻発するトラブルを、定年間近の准尉と若い士長が追及していく物語です。たまたま寄った書店で、自衛隊をテーマにしたミステリーが珍しいので手に取ってみました。作者の神家正成は元自衛隊員です。余談ですが、福岡市在住の「福岡諸事情通信」というブロガー(たかはん)の弟さんだそうです。元自衛隊員だけに、前半は自衛隊員の生活実態や自衛隊組織の中で人間の絡み合いが非常にリアルに描かれていて、これだけでもとても興味深いです。安全保障関連法案に基づく「駆けつけ警護」が成立する以前の、緊急活動での隊員の葛藤、直面する隊員としての矜持が大きなテーマとして読み手に迫ってきます。
今回の衆議院選挙での投票選択のテーマの一つでもあった自衛隊の法的問題ですが、自衛隊を合憲とすることに反対する方々にも本書を是非一読していただきたいです。少なくとも自衛隊への新たな理解や好印象は持てるのではないでしょうか。
ラストは・・・・、今もまだ胸が熱くなります。「あれを見よ 深山の桜 咲きにけり 真心つくせ 人知らずとも」

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