税理士法人SKC

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今年の干支から

18.01.25 | 堺俊治の独り言的情報

今年の干支は、戊戌(つちのえ・いぬ)ですが、この意味は、葉や枝が成熟して茂り過ぎて陽のあたりが悪く風邪通しもよくないので、将来のため不要な枝葉を伐採して必要な枝葉を残すということのようで、今年は過剰な物事に大鉈を振るい、思い切って整理をする年だそうです。

 60年前、前回の戊戌の昭和33年は、日米安保条約の改定交渉が始まった年で、安倍首相の祖父の岸信介首相が「今こそ憲法第9条改定の時」と発言して問題になった年でもあったそうです。安倍首相は分かっているのかもしれませんね。

 日本では、昨年から創業以来の最高益を上げる大企業が続出する状況が続いています。今年は、その好況が中小企業から一般消費者へとどれくらい広がりを見せるかの正念場ではないでしょうか。これが失速すると安倍内閣の続投も難しくなるでしょうから、憲法改正のためにも、国内消費の上昇は不可欠な今年の命題ですね。今年の春闘が実質3%以上の賃上げになるかどうかがまずは試金石かもしれません。

 わが社も他人ごとではなく、その一翼を担わなければならないと気を引き締めています。今年は、過剰に拡がった業務分野や作業分野を見直し、戊戌に従い、大ナタを振るってバッサリ整理しなければ、ただ3%以上の賃上げでは人件費の負担増となるだけで、将来に柱とする業務へ資源を集中することもままなりません。

 昨年から、国を挙げて生産性向上に取り組む姿勢を見せていますが、どうもそれは働き方改革と繋がっているようで、残業は非効率の筆頭で、夜は働かず日中の仕事効率を1.5倍上げると欧米並みになるそうです。早く退社して、街で消費する。それで国内消費が増加する・・・のではないか、ということのようですが、どうでしょうか。子育て世代を抱える世代にとって、私自身のことを振り返っても、教育費は半端な額ではありません。残業代が3万円~4万円と削られるのは相当につらいはずです。残業出来ない、給与が減る、消費を減らすしかない。17時退社の後、早く自宅へ帰って念願の「家族と一緒の夕食」をとれる、と喜んでいる世代がどれくらいいるんでしょうか。やりたいことがたくさんある人は早く退社して取り組みたいでしょうから大歓迎でしょう。コンサートへ行きたい、ライブへ、演劇へ、あるいは趣味に没頭したいという人はうれしいですね。今まで、残業している人に後ろめたい気持ちで、ライブを聴きに行っていたような人にはいいと思うのですが・・・・。お子さんに多くの教育費が掛かっている世代にとっては、かなりきついのではないでしょうか。その為に好きなことも我慢して、残業代を稼いでいた人達もいるのではないかと思うのです。本当は早く帰りたくないおじさんたちが、残業出来なくて街に出て、時間つぶしに困っているという東京の新橋での有様をテレビが報道していましたが、東京だけのことではない気がします。

 どうしなければならないのか、私にも答えはないのですが、ただ「生産性向上」のためには「ノー残業」が正しいという論理には、今は疑問を呈したいのです。

 日本人には日本人にとって真に合った働き方を追求する必要があるように思うのです。働くという概念を西欧化したことが、西欧より生産性が劣っているという短絡的結論になってはいないだろうかと思うところです。

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