TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

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“マーケットイン”と“プロダクトアウト”  ~いかに磨けるか!「フリー商品」「フロント商品」~

18.02.01 | 経営全般

■ 久しぶりの会計事務所“経営”セミナー

以前は、かなり一生懸命に通っていたのですが、最近サボり気味で、あまり顔を出せていない、会計事務所”経営”セミナー。
久しぶりに原点に戻ったつもりで、終日にわたり、会計事務所”経営”セミナーに参加。

ちょうど今、航空会社出身メンバーが、当グループ内に企業教育・研修会社を設立すべく、最終的な準備段階をしています。

これから展開しようとしている、企業向けの教育研修事業に関して、どのような商品ラインナップを図るべきか検討するうえでも、とても有益でした。

経営戦略の基本でもありますので、皆様のこれからの商品展開にも置き換えて、ご一緒に考えてみていただければ嬉しいです。


(つづく)

■ 5種類に商品分けしてみると・・・

まずは、商品ラインナップとして、登場ステージごとに分けてみると・・・
 ●「フリー商品」
 ●「フロント商品」
 ●「クロスセル商品」
 ●「アップセル商品」
 ●「バックエンド商品」
の5種類。


■ スターバックスと教育研修事業を例にとってみると・・・

イメージしやすいスターバックス・コーヒーを例にとりながら、
グループ会社がこれから展開しようとする新しい教育研修事業に置き換えて、考えてみました。
頭の体操のつもりで、気軽に読み流してください。


【フリー商品とは?】

スタバなら、無料Wi-Fi。
そもそもスタバでコーヒーを飲んでいるブランド感、自己満足・肯定感。
自分がスタバにいるという、まさにその空間そのものかもしれません。

教育研修事業なら、メルマガ、ブログ、FB、Twitterなどによる、
無料(フリー)の情報提供
といった感じでしょうか。
でも実は、このフリーな情報提供商品に、成否の命運がかかっていること・・・
詳しくは後述します。


【フロント商品とは?】

まさしく、スタバのフロントで売っている!コーヒーそのものが、フロント商品でしょう。

教育研修事業なら、
たとえば経営者向け、少人数形式・会費制の2時間レッスン。
経営者として身に付けておきたい「経営者のマナー・アプローチ編」
といった感じでしょうか。
マナー、研修の大切さを、経営者に会得していただくのが、
フロント(入口)として大事な目的です。
もちろん、あくまでも参加しやすいリーズナブルな会費制です。


【クロスセル商品とは?】

スタバなら、コーヒーとともに売っている、サンドイッチやクッキーなど。

教育研修事業なら、経営者向けセミナーを「フロントセミナー」よりも少し長めに設定して、
「クロスセル」の視点も加えて、教育や研修以外の点、
例えば経営やファイナンスなどの内容も取り入れたセミナーなど。

「経営者のマナー」のみならず
「ヒット商品・サービスの作り方」なども、
ときにセミナーに取り込んでしまう感じでしょうか。
マナー、研修の大切さに加えて、経営者として会得して欲しい
別の商品も「クロスセル」商品として同時に提供します。


【アップセル商品とは?】

スタバなら、コーヒー+数百円で、グランデサイズにグレードアップできます。

教育研修事業なら、経営者向け、セミナールームでのセミナー料金、
2時間レッスンという枠を「アップセル」として、思い切って超えてしまいます。
会員制ラウンジの個室などを借り切って、
エグゼクティブ相応なワインや食事なども楽しみながら、
「経営者として身に付けておきたいエグゼクティブセミナー」
などはどうでしょうか。


【バックエンド商品とは?】

スタバなら「スタバカード」、ひいては「株主」という形での囲い込みというのが、
最終的なバックエンドでしょうか。

教育研修事業なら・・・
経営者セミナーと同じ内容のエグゼクティブセミナーを、今度は幹部社員が受講、
教育研修事業の大切さを感じていただいた経営者が、会社として正式に社員研修を採用、
経営者セミナー参加の社長同士による、サロン的な場の展開、さらなる広がり・・・


「マーケットイン」「プロダクトアウト」

少し立ち止まって、まとめてみたいと思います。

需要者(モノ・サービスを買う側)にとっては、
まずは買いたいものは、やはり「フリー商品」「フロント商品」・・・
忘れてはいけない、「マーケットイン」の視点です!

供給者(モノ・サービスを売る側)にとっては、
最終的に売りたいもの「バックエンド商品」・・・
ややもすると経営者が傾きがちな、「プロダクトアウト」の視点です!

この「マーケットイン」「プロダクトアウト」の視点の違いを、
“売りたいがため”“売らんがため”に混同してはいけないということです。


■ 「フリー商品」「フロント商品」を、いかに磨けるか!

供給者としては、最終的な「プロダクトアウト」商品に、力んでチカラを入れる前に、
まずは入口で、モノやサービスを探すユーザーが求めている「マーケットイン」に、
いかに応えることができるのか。

すなわち「フリー商品」「フロント商品」を、いかに磨けるかどうかです。

そもそもユーザーとの接点というフロント(入り口)において、
顧客が満足して信頼され、企業姿勢の理解にもつながるような商品を提供できるかどうか。

企業姿勢として、「マーケットイン」の視点を大切に、
判断商品としての「フリー商品」「フロント商品」を磨き上げられるかどうかだと思うのです。

今年も一緒に、企業そして事業を、強くしていきましょう。
今年も一年間、どうぞ宜しくお願いいたします。


        平成30年(2018年)1月
                 山  崎  泰

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