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口腔がん対策には、歯科医院での健診が必須!?

18.04.03 | 業種別【歯科医業】

2017年6月に厚生労働省により策定された『がん対策推進基本計画』は、がん検診受診率50%以上を目標として掲げています。 
乳がんをはじめ、検診率の低さが早期発見・早期治療の阻害要因となっていることが問題視されていますが、“口腔がん”も例外ではありません。 

今回は、歯科医院における“口腔がん”の早期発見&早期治療対策について、見ていきましょう。

口腔がんの早期発見のために 

日本歯科衛生士会によると、口腔がんの発生頻度は、がん全体の1~3%と決して多くはありません。
そのため、直接患部を見れるものの、認知度が低いため、進行するまで放置してしまう方が多いのです。 
さらに、初期段階では、痛みなどの自覚症状がほとんどないため、自覚症状が出てきたときには病状が進行しているケースが多いといわれています。 

そのため、歯科医院での早期発見が重要視されており、学会を中心に啓発活動が行われています。 

その一つとして、大学病院の口腔専門医らで構成される『一般社団法人口腔がん撲滅委員会』では、歯科医や歯科衛生士を対象に、口腔がんの情報提供を行うためのシンポジウムを全国各地で展開。
さらに同委員会では『口腔がん検診ナビシステム』も運営しています。 

『口腔がん検診ナビシステム』とは、歯科医院で撮影した画像をウェブベースで添付して送ると、大学病院の口腔専門医が5時間以内にチェック。
以下のようなアドバイスを行います。 

・がんの疑いがあるので、患者に大学病院を紹介してください 
・1週間経過観察を行い、もう一度画像を送ってください    など 

すでに運用から5年が経過しており、“口腔がんの発見につながる”などの実績も生まれているシステムです。 


歯科医院での取り組み 

近年では、歯科医院を“早期発見の場”にするため、治療時や定期検診時に粘膜をチェックするなど、口腔がん検診も同時に行う歯科医院が増えてきています。 
また、セルフチェックシートを患者に配布し、気になることがあれば受診するよう呼びかけを行う歯科医院もあるようです。 

なお、日本歯科衛生士会では、“口腔がんセルフチェック”として以下の項目を明示しています。 

・なかなか治らない“はれ”や“しこり”はないか(肥大や硬くなっているところは要注意) 
・粘膜が赤くor白くなっているところはないか(前がん病変<※1>の可能性も) 
・治りにくい口内炎はないか(口腔内の荒れが2週間以上続く場合は要注意) 
・合わない入れ歯を無理して使用していないか(刺激により、がんが発生するケースも) 
・食べ物が飲み込みにくくはないか(舌や頬の動きが悪い・しびれや麻痺がある場合は要注意) 

※1 前がん病変:放置していると、がんに移行する確率が高い粘膜の病気。口腔粘膜がレース状の白色紋様や、紅色・黒色に変化したり、舌が部分的に白色に変化したら注意が必要です。 

通常、口腔がんは“がん”になるまで5~10年かかるといわれています。
そのため、少なくとも半年~1年に1回は、口腔内の定期健診をすることが必要です。 

定期健診を促すハガキやメールを送る際に、口腔がん健診の重要性も訴えてみてはいかがでしょうか。



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