税理士法人SKC

税理士法人SKC

利益を計上している法人は40%弱?(欠損法人割合は63.5% ?)

18.04.21 | 堺俊治の独り言的情報

 国税庁は、「平成28年度分会社標本調査」の調査結果を公表しましたが、これは、法人企業の実態を明らかにし、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的に毎年実施されているものです。調査結果によると、平成28年度分の利益計上法人は97万698社(前年度比3.3%増)で6年連続 の増加となっていますが・・・。

 一方、欠損法人は168万9,427社(0.1%減)で7年連続の減少でした。これによ り、欠損法人割合は63.5%(同0.8ポイント減)と7年連続の減少となっています。これは平成21年度の欠損法人割合72.8%から9.3%減少したことになります。また平成28年度分の営業収入金額は1,450兆8,100億円(前年度比0.1%増)で、所得金額 は59兆4,612億円(同3.9%増)と7年連続で増加し、過去最大となっています。もう一つは景気のバロメータともいえる交際費等の支出額が、3兆6,270億円(同4.1%増)と5年連続で増 加し、営業収入金額10万円当たりの支出額で250円(同4.1%増)となっています。これらのデータによれば、景気が確実に拡大しているということが出来そうです。アベノミクスの効果というには、これくらいでは足りないのかもしれませんが、私どもがお手伝いしています北九州市の経済圏の中小企業の実態も、マクロ的には同様な傾向に感じます。ただ中小零細企業においては、大企業のように過去最大の業績の達成とはいきません。ただし利益を計上している法人の割合が40%弱ということはありません。利益を計上している法人は60%強というのが実態です。国税庁のデータには、当期に利益を計上していても過年度に生じた欠損金が繰り越されていて、当期の利益がその欠損金と相殺される場合には、利益計上法人にカウントされません。繰越欠損金控除前の、当期に利益を計上している法人を利益計上法人に加えると、利益計上法人の割合は50%を超えると思います。実態はこういう訳ですので、くれぐれも、マスコミの口車に乗って、半分以上の会社が赤字なんだから、自社が赤字計上してもしようが無いことなんだ等と勘違いなさいませんようにご注意ください。

TOPへ