税理士法人SKC

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リーダーは運がよくないとダメだ!

18.06.25 | 堺俊治の独り言的情報

 サッカーのワールドカップで、日本代表は大方の予想を覆してコロンビアに勝利しましたね。私も全く期待していなかったので当日は驚きと感動でした。ゲームが始まるとすぐに日本は予想に反してアグレッシブに動き出し、PKとレッドカードを引き出しました。それからは、それまでぼんやり見ていたTVに釘付けになっていました。
(この原稿はまだセネガル戦が始まる前に書いています。セネガル戦の前だから、コロンビア戦だけを対象に書いています。)

 この試合で私は「運」ということについて、考えてみました。コロンビアに勝利した西野監督は運の強い方です。1996年アトランタ五輪で日本代表がブラジルを破って「マイアミの奇跡」と言われたときの監督が西野氏です。その西野氏が、ハリルホジッチ監督解任で日本代表監督になったことは、彼にとって思いがけない幸運です。西野監督はそもそも「運が強い人」「ツキがある人」といえるのでしょう。古い話ですが、日本海海戦でバルチック艦隊を破った東郷平八郎元帥を連合艦隊司令長官に指名した山本権兵衛海相の指名理由が「東郷は運のいい男だから」だったという話は有名ですね。西野監督の監督としての力量は、報道によれば、徹底した分析能力とかコミュニケーション能力が高いとか優秀な面があげられていますが、何より運の強さが一番のような気がします。私は日頃から、優れたリーダーは運が強くなければならない、と思っていますので、それを改めて感じたところでした。
 昔からの日本のことわざに「運・根・鈍」(ウン・コン・ドン)という言葉があります。物事を成し遂げるために必要な「幸運・根気・鈍感」の3つのことで、成功の秘訣としては、才能より運の強さや根気強さ・粘り強さが必要であるといいます。私は仕事上、多くの経営者の皆さんにビジネスが成功した秘訣は何でしょうか、という質問を数多くしてきましたが、最終的に皆さんが口にすることは「なんだかんだあったけど、運が良かったね」です。
 思いがけない良い結果や、意図を超えた成果が出たとき運が良かったと言い、思いどおり(意図どおり)の成果が出たときには運が良かったとは言わないようです。成功や成果は社会との関わりの結果ですから、運を呼び込むためには、社会との関わり方を、運を呼び込むような方法にする必要があることになります。社会の動勢をしっかり把握して対処するとか、周りの人々との関係の仕方に意識を向けるとかをおろそかにしていては幸運なことは起きないということになります。「運」を呼び込むために大切にする3つの「ん」という言い伝えがあります。その3つは「勘・縁・恩」です。勘というのは「勘がいい」とか「勘が働いた」とかの勘です。勘を磨くために最も邪魔になることが人の目を気にすることです。いわゆる「よく思われたい・馬鹿にされたくない・嫌われたくない」などの心の動きです。勘を良くするためには、物事の本質をしっかり見る目を養う必要があります。すべての物事は「色即是空」として受け取れればより勘は磨かれます。縁とはまさに人との関わり方です。禅の言葉に「自利利他」という言葉があります。他者の喜び(役に立っていること)が自分の喜びであるという境地です。人は「ありがとう」と伝えられると心地よくなります。それがなぜ心地よいかかというと、人は人の役に立つと、脳から心地よくなるホルモンが分泌されるようにできているからのようです。人の役に立つと幸せな気持ちになるように人間は出来ているのです。恩とは感謝の気持ちです。自分の手に入れたものや創り出した物事を全部自分の力で出来たことだと思っている者には感謝の気持ちは起きません。恩を感じられる人は謙虚な人です。この3つの「ん」は「運」を呼び込むための、周りの人々や社会との関わり方を示しています。

 「運」についてウキペディアで検索してみると下記のように記載してあります。
「意志の力や祈りで(幸運・不運)を変更できるとする主張が多い。歴史上数多くの実験が繰り返されており、またアメリカなどのカジノでは常に情報を集計している。意志の力や祈りなどで運を変更できれば良いとする気持ちは多くの人間が持っている感情であるが、そのような事が可能であるとする証拠は一切ない。」

 日本代表が西野監督の強運でグループリーグを突破することを信じてみたいと思います。

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