働き方改革関連法案が成立
18.07.21 | 労働ニュース
安倍政権が今国会の最重要法案として位置づけていた働き方改革関連法案が6月 29日に開かれた参議院本会議で可決・成立しました。
今回の改正法案は、労働基準法、雇用対策法、労働安全衛生法、じん肺法、労働時間等設定改善法、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の8法律について改正を行うもので、主な改正点は次のとおりとなっています。
1.働き方改革の総合的かつ継続的な推進(雇用対策法)
・働き方改革の基本的考え方を明確化し、改革を総合的かつ継続的に推進するための「基本方針」(閣議決定)を定める※公布日より施行
2.長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現(労働基準法、労働安全衛生法)
・月45時間・年360時間を原則とし、特別な事情がある場合も年720時間・単月100時間未満・副数月平均80時間(休日労働含む)を上限とする罰則付き規制を導入
・月60時間を超える時間外労働の割増賃金率に関する中小企業への猶予措置を廃止
・10日以上の年休が付与される労働者に対し、毎年5日を時季指定して与えることを義務化
・一定以上の年収を受ける高度専門職について労働時間規制の適用を除外する「高度プロフェッショナル制度」を創設
・健康確保措置の実効性確保のため、省令で定める方法による労働時間の状況把握を義務づけ
・勤務間インターバル制度の導入を努力義務化
・事業者から産業医への情報提供など産業医・産業保健機能の強化を図る
※平成31年4月1日施行。中小企業における時間外労働の上限規制は平成32年4月1日、割増賃金率の猶予措置廃止は平成35年4月1日施行
3.雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法)
・短時間・有期雇用労働者と正規雇用労働者との不合理な待遇の禁止に関し、個々の待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化
・派遣労働者について、①派遣先の労働者との均等・均衡待遇、②一定の要件を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することを義務化
・これらの事項に関するガイドラインの根拠規定を整備
・短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化
・上記について行政による履行確保措置および裁判外紛争解決手続(行政ADR)を整備
※平成32年4月1日施行。中小企業におけるパートタイム労働法・労働契約法の改正規定適用は平成33年4月1日施行
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/196-31.pdf
《関連情報》改正法律案の新旧対照条文
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/196-34.pdf