税理士法人SKC

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最近気になっている出来事

18.07.26 | 堺俊治の独り言的情報

 6月からのおよそ2ヶ月の間にいろんな出来事がありました。北朝鮮と米国のトップの会談から、サッカーワールドカップ、大阪北部地震、甚大な被害を出した西日本豪雨、そして記録的高温の連続している真夏日と続き、北朝鮮問題や大阪北部地震のことなどの記憶が薄れてしまうくらいです。
 この間の出来事で、気になっていることを挙げてみました。

1、どうも今のトランプ大統領の動きを見ると、北朝鮮対策は緊迫した状態をいったん緩和して保留にしているかのように見えます。
 その間に中間選挙が迫っていることもあって、トランプ大統領支持者のために選挙公約を実行することを優先しているようです。そ
 の一つがこのところの保護主義的貿易施策の強行となっています。この施策が世界を巻き込んだ貿易戦争の始まりになるというアナ
 リストもいます。どうもトランプ大統領は、これまで先進数ヶ国で創ってきた仕組みを創り直そうとしているかのようです。トラン
 プ大統領が強行に始めていることは、これまで先進数ヶ国だけで都合よく仕組まれてきたWTOを中心とする国際貿易体制を確実に
 揺るがすことになりそうですが、新興諸国にとってこれはプラスの影響を及ぼすことになるのか、それともさらに格差を広げること
 になるのか。また、この行き先は日本にとってどんな対応が必要となるのでしょうか。

2、フランスの優勝で終わったワールドカップでしたが、日本のイレブンも感動的な試合をしましたね。そしてこの大会で一躍注目さ
 れたのはフランスチームの19歳のエムボベ選手でした。彼はアフリカ系の移民の子です。話によると、かなり貧困な地区の出身だ
 そうですが、この大会で年俸10億円以上をとるスパースターの入り口に立ちました。欧州のチームには各国数人のアフリカ系の選
 手が入っていますが、きっと彼らアフリカ系の選手もエムボベ選手と似たり寄ったりの境遇だと思います。彼らはサッカー選手(ス
 ポーツ選手)となることで貧困の連鎖から抜け出すことが出来ます。しかし移民に対する差別はかなり強いようで、貧困の連鎖から
 抜け出すことは容易ではないようです。ドイツチームのトルコ系移民のメスト・エジル選手は「勝てばドイツ人、負ければ移民」と
 いう人種差別的境遇を理由にドイツ代表を引退したと新聞に報道されていました。移民の受け入れが新たな差別を生み経済格差をよ
 り広げているようです。日本でも他国からの労働力の受け入れが加速していますが、いずれ移民の受け入れという問題も抱えること
 になるのかもしれません。もはや移民問題は欧州の特殊性として片付けられないところに来ています。

3、今回の豪雨での被害の根本問題には、治水工事やダム建設予算を民主党が「コンクリートから人へ」というスローガンの下、事業
 仕分けで建設関連予算を大きく削減したことがあるという論者が何人もいますが、この指摘をマスコミが全く取り上げないのはなぜ
 でしょうか。そしてこれからの国土強靱化対策のための建築技術者や熟練工の不足も、この予算削減が原因ではないかという指摘も
 あります。もちろん利権がらみの無駄な公共工事もあったかもしれませんが、公共工事の削減が国土弱体化を招いたという側面があ
 るのではないでしょうか。

4、熱中症でお亡くなりになる高齢者が急増していると報道されています。その中の少なくない方々が、エアコンを使用しない結果の
 悲劇ということのようです。先般、九州電力が75歳以上の高齢者がいる家庭の8・9月の電気代を10%割引するという高齢者のエア
 コン利用促進のためのサービスを始めたところ、電話が繋がらないほどの申し込みが殺到したそうです。これはどういうことだと思
 いますか? この世代の方々が幼かった頃、エアコンは大変高価な電化製品でした。物凄い贅沢品でした。そしてその頃の電力使用
 量も今の何倍もかかって、電気代も高額になりました。でも今は一晩つけっぱなしでも150円(6畳用)くらいです。一日中つけっ
 ぱなしでも300円くらいですから1ヶ月1万円くらいです。その電気代を10%割引サービスというだけで電話が殺到するというのは
 どう考えても腑に落ちません。やはり若い頃に植え付けられた習慣やしつけ、また風評や教育が大きく影響しているのではないでし
 ょうか。「本当はエアコンを使いたい、しかしエアコンをつけっぱなしにするなど、贅沢すぎる。我慢できることは我慢する」みた
 いなことではないかと思うのです。「10%割引するなら使ってもいいか」と、使うための言訳けが聞こえてくるみたいです。団塊
 世代を含む高齢の方々は、そのような思い込みがとても強い世代だと思います。思想的な考えにも同じようなところがあって、青春
 時代の風評の影響で、左翼かぶれになったまま「正義は左翼にある、自民党政府は悪だ」と何の根拠もなく思い込んでいるような節
 があります。そしてこの方々が新聞の発行部数とテレビのワイドショーの視聴率を支えています。この方々は本来の社会的・経済的
 効果が行動の動機になるのではなく、その出来事の情緒的側面が行動に影響を与える気がします。大阪都構想が頓挫したのは、高齢
 者の「敬老パス」を廃止する施策が高齢者の反対票に大きく影響したと言われています。しかしその団塊世代の影響力も年々薄れて
 いくとは思うのですが・・・。

 何を隠そうこの私も団塊世代の中心世代です。やっぱり心のどこかで、今の日本は我々が引っ張ってきたんだという声が聞こえてくるような・・・・。

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