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防災用品の購入費は、用途によって勘定科目が異なる!?

18.08.01 | 【税務】

地震や土砂崩れ、噴火など多くの災害に見舞われている日本。
そのため、東京都や大阪府など全国16以上の自治体では、“防災用品の備蓄に関する条例やガイドライン”を定めています。
では、会社でヘルメットや非常食などの防災用品を購入した場合、税務上どのように処理すればよいのでしょうか?

地震や土砂崩れ、噴火など多くの災害に見舞われている日本。そのため、東京都や大阪府など全国16以上の自治体では、“防災用品の備蓄に関する条例やガイドライン”を定めています。では、会社でヘルメットや非常食などの防災用品を購入した場合、税務上どのように処理すればよいのでしょうか?

<常備品と消費類で勘定科目が相違>
会社で防災用品を購入した場合、それらの費用は原則的にすべて経費として損金算入できます。ただし、“防災用品”と一括りにいっても、その性質により勘定科目が異なるので注意が必要です。
たとえば、ヘルメットや毛布といった防災用品のように繰り返し使う性質のものは、器具備品に該当し『減価償却資産』として処理します。
一般的にこれらの防災用備品は物品の単価が少額(10万円未満)であるため、備付時に事業供用があったものとして、購入した事業年度の損金に算入することが可能です。

また、防災用として備蓄する非常食・医療品・電池などのように繰り返し使用せず消費する性質のものは、『消耗品費』に該当します。
通常、業務に必要な未使用の物品は貯蔵品とされ、使用・消費時に損金算入しますが、非常食は“備蓄・保存すること”が目的です。そのため、備蓄された時点で事業供用があった(=使用・消費した)ものとして、購入した事業年度に損金算入しましょう。

<従業員に支給すると福利厚生費?>
前述のとおり、原則として、防災のために“繰り返し使うもの”は『減価償却資産』、“繰り返し使用しないもの”は『消耗品費』となります。しかし、同じ防災用品でも消耗品費にならないケースもあるのです。
たとえば、会社で非常食などを一括で購入し、自宅に備えてもらうため社員全員に配布したとします。この場合、購入費は消耗品費ではなく『福利厚生費』となります。
つまり、防災用品を社内に備える場合は『消耗品費』、従業員に配布する場合は『福利厚生費』として処理しましょう。

<防災用品の備蓄が条例となっている都市も!>
東京都では、平成25年4月に『東京都帰宅困難者対策条例』を施行。事業者には、災害発生時に安全性と周囲の状況の確認をして従業員の一斉帰宅抑制に努めること、また全従業員×3日分の水・食料・そのほか必要物資の備蓄が努力義務とされています。
そのため、非常食に加えて毛布、簡易トイレ、救急医療薬品類、携帯ラジオ、懐中電灯などを備えておくことが望ましいでしょう。
この東京都の条例策定をきっかけとして、全国の各自治体で防災用品の企業備蓄に関する条例が策定・施行される動きが広がっています。
購入した防災用品の勘定科目や損金算入について、ご不明な点があればお問い合わせください。

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