TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

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ファイナンシャル・プランナー花輪陽子のシンガポールたより vol.2

18.09.11 | 税務・会計

ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。

今回は拙著『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』から
人生100年時代を見据えたリタイアメントプランニングをご紹介します。

日本の公的年金は、
シンガポールの中央積立基金(CPF)のように
自分で積み立てる仕組みではなく、
その時の高齢者の給付をその時の現役世代が支払う
仕組み
になっているために、
人口構成の影響をまともに受けてしまいます。

2060年には高齢者1人を1.3人の現役世代が支える不安定な人口構成になる上に、
「人生100年時代」と言われる長生きリスクの問題があります。

世代によっては逃げ切れる可能性もありますが、
更なる給付のカットや保険料の引き上げが行われる世代は
自分で準備しなければならないお金が膨らみます。
 
日本でも確定拠出年金(401K)の加入者の適用範囲が広がり、
専業主婦なども加入ができるようになりましたが、
公的年金で不足する分を各自で積み立てることを促進する制度になります。

日本では制度の抜本的な改革は難しいので、
公的年金と401Kの合わせ技でそれぞれが老後に備える必要があります。
 
シンガポールでもCPFでは不足するお金の準備を、
投資型の保険や付加退職年金(SRS)などを活用することによって補っています。

税制優遇のあるSRSは外国人も利用することができますが、
途中で引き出すとペナルティーが発生するので長期滞在者向けになります。
その口座を利用して投資信託などで運用をすることも可能です。
 
保険に関しても、所得税の申告の際に生命保険料控除が認められています。
適用要件を満たせば、本人もしくは配偶者のために支払われた生命保険料に関して、
課税所得から一定額を控除できるという制度です。
 
公的年金、私的年金、個人年金保険などで若いうちからお金を蓄えておけば、
老後生活に入った時にキャッシュフローを作ることができます。

例えば、日本の公的年金は2ヶ月に一度、偶数月に2ヶ月分が支払われます。
年金が振り込まれない月に株式の配当や債券のクーポンが入るようにするのも
老後の戦略になります。

また、シンガポールでは67歳まで継続雇用が可能ですが、
長く働き続けることは何より老後不安を減らすことができます。

「金の卵を産むニワトリ」を複数組み合わせることによって、
定年後のお金の安心を作ることができます。 









★プロフィール★

花輪 陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。
公式ホームページ http://yokohanawa.com/
twitter:@yokohanawa
facebook: https://www.facebook.com/yokohanawa
新刊情報『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)

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