税理士法人SKC

税理士法人SKC

平成天皇の御譲位

19.01.24 | 堺俊治の独り言的情報

   昨年の11月の最終週に4日間の皇居清掃奉仕活動を行ってきました。今回で2度目の清掃奉仕活動でしたが、今回の天皇・皇后両陛下からのご会釈(皇族の方々がなさるご挨拶とお言葉かけのこと)は特別なものとなりました。

   巷では、今上天皇が決められた生前譲位を陛下御自身の健康上の問題のように扱う傾向がありますが、陛下が譲位を決められた理由は、ただただ日本国民への気遣いが大きいのです。

   今上天皇陛下が御即位された際には、御即位の祝福の催しは一切なされなかったように記憶しています。当時、皇室では御即位の祝福の儀はなく、昭和天皇陛下の御崩御により、古代からの葬儀儀式である殯(もがり)といわれる葬祭の儀が2か月にわたって行われています。また、昭和天皇陛下のご容態が悪くなられてから、日本国中で派手なことを抑える自粛ムードが広がり、テレビでは派手なCMやバラエティ番組の内容が変更され、ネオンサインも消されたり、プロ野球の祝勝会など多くのイベントが中止になりました。御崩御の後は日本全体が喪に服すこととなり、昭和天皇陛下のご容態が悪くなられてから6ヶ月に渡り、日本の社会活動、経済活動が停滞するという状況が続きました。

   今上陛下はご自分で身をもって体験されたこの時の日本社会の状況を大変危惧されておられ、同じように陛下ご自身の健康上のことで社会活動や経済活動が停滞することが無いように、そして新天皇の即位を日本国民上げて祝福できるようにとお考えになられ、生前退位をお決めになられたのです。

   2ヶ月に渡って行われる葬儀儀式である殯(もがり)といわれる葬送の儀は、古代から続けられている大変重たい儀式の様です。ご遺体が白骨化するのを見届けるまで火葬をしない葬儀儀式で、白骨化するまでの約2か月の期間、今上陛下は連日見届けられたといいます。今上陛下はこの殯(もがり)の継続にも懸念を持たれているようです。

   このようにご自身のことではなく国民のこと、新天皇の即位後のことと、生前退位を決められた陛下の国民の平穏を願われるお気持ちに胸が熱くなります。このようにお考えになられ、これだけの思いをお持ちの陛下を象徴としている日本に誇りを感じずにはいられません。今回の清掃奉仕活動中に両陛下からご会釈を頂く際、2m程の近距離で拝顔させていただいただけで胸が熱くなり涙があふれてきました。全く「私心」を感じられない天皇陛下、「慈悲」の象徴である観音菩薩もこうであろうかと見紛う皇后陛下を前にして、誰しもが日本人で良かったと感涙する瞬間でしょう。

 私たち国民は、今上天皇のこのお気持ちにお応えする意味でも、新天皇の御即位を最大の祝福をもってお迎えし、社会活動や経済活動の盛り上がりに貢献したいものです。

TOPへ