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本店(本社)登記は自宅・賃貸・バーチャルオフィスのどこがよいか?

19.04.23 | 業種別【不動産業(登記)】

会社を設立するときには設立登記を行わなければなりません。
そのときまでに決めておかなければならないのが本店所在地です。 
自宅にするか、オフィスを借りるか、バーチャルオフィスでもいいのか。
今回は、会社の本店をどこにするかで迷ったときに知っておきたい“自宅”“賃貸”“バーチャルオフィス”それぞれの、登記するうえでの特徴についてご紹介します。

自宅は手軽だが管理規約に反する可能性も 

今、住んでいる自宅を本店として登記ができれば、事務所を借りるコストも節約できるため、事業のスタートアップ時には費用面でかなり助かるでしょう。
しかし、登記簿謄本や定款は誰でも見ることが可能なため、個人情報が心配です。
持ち家や分譲マンションの場合は容易に引っ越すこともできないため、何かあったときのことを考えるとハードルが高いといえます。 

しかし、実は、登記の際にはマンション名や部屋番号まで記載する義務はありません。
また、会社設立時に作成する定款にも番地まで記載する必要がないため、広く第三者にまで自宅の住所が公開されてしまう心配はないのです。 

ただその一方で、自宅が居住用に契約している賃貸物件である場合は、契約内容や集合住宅の管理規約に反する可能性もあります。
後からトラブルになって本店移転を迫られることのないよう、事前に規約内容などを確認しておくとよいでしょう。 


賃貸オフィスは契約上NGのケースもあり 

マンションやアパートの一室をオフィスとして賃貸して、そこを本店として登記するという方法は一見問題ないようにも思えます。
しかし、注意しておきたいのが賃貸契約内容です。 
賃貸物件によっては、居住用として使用することしか認めていないケースもあります。
そのため、物件によっては、“オフィスとして登記できない”と賃貸契約書に明記されていることもあるのです。
また、登記はできなくてもオフィスとして使用できるケースがあります。
ただし、“人の出入りがなければOK”などの条件が付けられていることもあります。 


低コストだが信用がないバーチャルオフィス 

事務所を経営していくのに必要な住所や郵便などのサービスだけを借りることができるバーチャルオフィス。
安ければ月に数千円程度で借りることもでき、本店として登記することができます。
ただの“住所貸し”といわれることもありますが、事業のスタートアップのコストを抑えつつも、取引先にも自宅の住所は知られたくないという人には最適です。 

ただ、バーチャルオフィスは登記上の問題はなくても、その後の手続きで困る可能性があります。
その一つが銀行口座の開設です。
バーチャルオフィスの住所では法人の銀行口座を開設してもらえない銀行もあるので注意が必要となります。 
また、バーチャルオフィスはオフィスとしての実体がないため、“信用性がない”と見なされてしまい、取引が不利になる可能性もあります。
登記の問題だけでなく、起業後の影響も考えたうえで決めるとよいでしょう。 


助成金や融資を受けることも視野に入れよう 

もう一つ押さえておきたいのが、本店の住所と起業後の資金調達の関連性です。
補助金や助成金制度には、全国展開しているものだけではなく、地方自治体が展開しているものもあります。 

地方自治体が運営している補助金や助成金の場合は、基本的には登記簿上の本店所在地が管轄下にある法人や個人事業主が対象となります。
もし特定地域を対象とした助成金や補助金を検討しているのであれば、それに合わせて本店所在地も検討するようにしましょう。 

もしも登記した後に何らかの不都合が生じて本店移転登記をしなければならなくなったら、さらに登録免許税として3万円のコストがかかってしまいます。 
コストを重視するか、信用性を重視するかなど、優先したいものによって、どこを本店にするかの選択肢は変わってきますが、それぞれの特徴やメリット、デメリットをふまえて検討してみましょう。 


※本記事の記載内容は、2019年4月現在の法令・情報等に基づいています。

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