小林修税理士事務所

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消費者を無意識に誘導する『ハーディング効果』がすごい!

19.05.28 | ビジネス【マーケティング】

行列ができている飲食店を見かけると、なんだか美味しい店に思えて、つい並んでしまう……。
その行動は、周囲と同じことをしたくなる人間心理を巧みに引き出す『ハーディング効果』のたまものかもしれません。 
今回は、行動経済学の考え方の一つ『ハーディング効果』をご紹介します。

同調意識を求める人間の心理に着目! 


行動経済学では、多数の人と同じ行動を取って安心感を得たい人間心理がもたらす効果を、動物の群れを意味する英語“ハーディング”から取って『ハーディング効果』と名づけています。 
たとえば、今となってはなぜ流行したのか不可解な、ファッションアイテムやおもちゃ、イベントの数々を思い起こしてみてください。 
流行へと膨れ上がったきっかけは「みんなが持っているからほしい」「みんながやっているから自分もやりたい」という、個々人の意識だったはずです。
人間はときに合理性よりも、“周囲との同調を優先して安心感を得る”という選択をしてしまうものなのです。 


『行列』の可視化が購買意欲に直結? 

このハーディング効果は、古くから購買意欲をかき立てる手法として活用されてきています。 
たとえば、店外に椅子を並べて“行列ができるお店”を演出するなどの作戦手法は、フードビジネスに携わる方なら覚えがあるでしょう。 
ハーディング効果を応用できる場面は、飲食業に限りません。 
数量限定販売なども、あえて生産数を絞って買い求める人を集中させ、人だかりをつくることによって、人の同調意欲をいっそう高めることにつながっています。 
CDやDVD、Blu-ray Disc、書籍などの新作発表時、通常版のほかに装丁や付録を豪華にした初回限定版、プレミアム版などを設けることも、今やおなじみの販売戦略となっています。 

実際に目にする行列以外にも、最近ではインターネット上でも同様の現象に注目が集まっています。 
ネットショップで買い物をするとき、商品ページに書き込まれた口コミの数や内容、あるいは評価ポイントを参考に選んでいる人も多いはずです。
このスコアは、インターネット上の『行列』とみなすことができるでしょう。 

自社商品・サービスに対して、『ハーディング効果』をどのように活用できるかを考えてみてはいかがでしょうか。 


※本記事の記載内容は、2019年5月現在の法令・情報等に基づいています。

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