宮田総合法務事務所

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「ミニM&A」で会社員も後継者難企業の買い手に

19.07.09 | 暮らし・人生にお役に立つ情報


2019年6月21日(金)付けの日本経済新聞によると、年商1億円未満の企業を対象とする「ミニM&A(合併・買収)」が広がっている、とのこと。

その背景には、後継者難に悩む中小企業が増えていることや買い手と売り手をつなぐマッチングサイトが台頭してきたことがあるようだ。

後世に残すべき技術・ノウハウを持つ会社を存続させるためのM&Aの担い手として、企業の“副業解禁”などを契機とした会社員も増えてきているようだが、安易に挑戦し失敗する事例も増加している。 

日本の法人の8割は年商1億円に満たない中小企業が占めるが、こうした中小企業のM&Aには、書類作成などの手間に見合う手数料収入(報酬)が得られないため、大手仲介会社が手を出しにくかったジャンル。 

「ミニM&A」のサポート役として地方自治体の商工会が関与したり、株式を買い取る資金不足などに悩む個人の後継者を支援するファンドも出てきている。 


中小企業庁によると、2025年には70歳を超える中小企業の経営者が約245万人となるとのことで、そのうち約半数の後継者が未定。
この現状を無策に放置すれば、承継すべき大切な技術やサービスが企業の廃業により大量に失いかねない。 

その救世主の一端を担うかもしれないのが会社員。
ただ、副業ブームに背中を押されて買い手となる会社員個人が増えている中で、短期間で失敗をするケースも少なくないようだ。 


企業経営は、経営理念や企業の存在意義をきちんと認識した上で、「人」「モノ」「金」を駆使する術を身に付けておかなければ、簡単にできるものではない。 
経営や財務の勉強も必要だし、買収前には専門家による“デューデリ”(「デューデリジェンス」の略で、企業買収を行う際に、本当にその企業に十分な価値(収益性・将来性)があるのか、経営リスク等はどうなのかを総合的かつ詳細に調査し、企業の資産価値を適正に評価・査定する作業)も欠かせない。 

適正なモラルと知識を持った個人・法人が、M&Aに担い手として、日本の中小企業の存続・発展を支えてくれることを応援したい。 


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