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イベントなどで納めた協賛金の税務上の扱いとは?

19.07.11 | 【税務】

お祭りや地域のイベントに出かけると、必ずと言っていいほど企業名が記された提灯や看板などを見かけるはずです。
記載されているのは、イベントに協賛した企業の名前です。そして、そのほとんどはイベントに対して協賛金を納めています。
この協賛金は、税務上どのように取り扱えばよいのでしょうか?

<支出実態によって変わる 協賛金の取り扱い方とは?>
協賛とはイベントの趣旨に賛同し協力することで、そのイベントの成功をサポートする、いわゆる『スポンサー』を意味しています。その一端として支払うのが協賛金です。実は、協賛金が何のために支払われたかによって税務上の扱いが変わります。

税務上の扱いの仕訳のポイントは、以下の三つです。
(1)不特定多数の人に対して、企業の宣伝を目的として支出した場合
(2)宣伝効果は期待しないが、協賛金を募っている事業者に対して、あくまでもお付き合いとして支出した場合
(3)地域社会と良好な関係を維持するために支出した場合
(1)~(3)のどの目的で計上するかで消費税の扱いも変わりますので、注意が必要です。

<支払う目的に合わせて正しい計算を>
(1)で考えられるのは、イベントで使用するうちわやはっぴなどに企業名を入れてもらうなど、来場者に対して企業のPR活動をする場合です。このとき協賛金は“広告宣伝費”とされ、消費税は課税仕入れとなります。広告宣伝費は全額損金として計上できるので、企業にとっては一番ありがたい扱いです。

(2)の場合は“交際費”として処理をします。取引先の企業がイベントなどに出店しており、やむなく協賛金を支払うといったパターンが該当します。消費税は目的によって取り扱いが分かれます。事業の円滑性といった対価を求める場合には“課税仕入れ”となり、対価を求めていない場合には“不課税仕入れ”となります。
ちなみに、交際費のすべてを損金として扱えるとは限りません。期末資本金の額が1億円以下である法人などの一定の要件を満たす中小企業の場合、年800万円まで損金の額に算入できます。

(3)の場合は“寄付金”として扱われます。今回のケースでは「一般寄付金」として取り扱われ、損金として認められる額は、“{(期末資本金等の額×当期の月数/12×2.5/1,000)+(所得の金額×2.5/100)}×1/4”の数式で求められる金額が限度です。消費税も“不課税仕入れ”とされます。

 また、金銭ではなく物品を購入して渡した場合、その物品の購入代金は“課税仕入れ”となります。しかし、ビール券や商品券などを購入して贈答した場合は“不課税仕入れ”となり、消費税の取り扱いが変わってきます。

 協賛金を支払ったときは実態に合わせて処理をすることが大切です。協賛金の扱いは、細かくパターン分けされているため、扱いがややこしい面があります。正しく処理をして、追徴課税が発生することのないように気をつけましょう。

※本記事の記載内容は、2019年5月現在の法令・情報等に基づいています。

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