ビジネスモデル俯瞰図の検証!(その2)…お客様の属性分析と絞り込み例!

19.10.28 | ビジネス【経営】

前回号(2019年10月21日配信 ビジネスモデル俯瞰図の検証)の続きです。

 

〔※ビジネスモデル俯瞰図とは、ビジネス全体の構造や流れを把握し、事業の構造や事業の特徴、損益構造などをわかりやすく整理した図表のことを指します。〕

 

事業全体の活性化や事業立地の付加・転換など、事業自体をその本質から見直そうとするときは、ビジネスの全体像を現したビジネスモデル俯瞰図を作ってみるとわかりやすいです。

ビジネスモデル俯瞰図を使って、事業の活性化を図りたいときの着眼点を整理いたします。

「お客様を細分化して、特定のお客様への個別対応を充実させた事例」を紹介します。

 

例えば、ある家電量販店(大手ではありません)は、過去の販売履歴から、その過去の購買金額・年齢や自店との距離を定めて重点顧客を選定し、その顧客には購買金額の過多にかかわらず個別無料配達を行っておられます。100円の商品一つでも無料でお届けするとの意味です。訪問時の付加サービスや御用聞き機能を充実させることで、高額家電の購入、過度に値引きを必要としない売上につながっているようです。顧客に対して一律に対応するのではなく、その対象を分析・選別して細やかに対応することで、その売上と利益を伸ばしておられます。

 

ビジネスモデル俯瞰図の中で、お客様へと伸びる矢印に着目してください。お客様とは…細分化すると多くの属性が生まれます。上記のお店の場合は、大手量販店がひしめくエリアで、競合各社が自店への集客を試みる中、自店への誘導ではなく、客先へ足を運ぶ選択を行いました。その仮説を持ったうえで、お客様の選別を行ったのでしょう。

一方、あるお客様への個別対応を充実させることは、その他のお客様を対象から除外することになります。漠然とお客様を捉えるのではなく、(失礼な言い方になりますが)お客様を選別する、この発想は重要です。

 

「事業者向けに事務機材を販売する事業会社様の事例」を紹介します。

 

例えば、事業者向けに事務機材を販売する事業会社様は、地方支店におけるその営業エリアが複数の県にまたがっており、大変広範囲な営業エリアを設定していました。営業マンの日々の平均訪問可能件数は2件未満で、遠方の時は1件だったそうです。

あるタイミングから方針を見直して、その管轄するエリアを面積で5分の1程度にまで絞り込みました。営業マンの平均訪問件数は3倍以上に増え、売上・利益とも数倍に伸びています。

 

ビジネスモデル俯瞰図の中で、お客様へと伸びる矢印に着目してください。お客様とは…細分化すると多くの属性が生まれます。上記の事業会社では、ある意味欲張って、広範で実力を上回るエリアを設定してしまっていたがために、大変非効率な状況でした。エリアを適正な水準に是正したことで、営業効率が飛躍的に改善し、売上・利益とも大きく伸びています。

 

限られた経営資源を広く分散させてしまうと、その成果も激減します。【分散症候群】と呼ばれる経営上の疾病です。

絞り込んで【Simple化】、そこに集中的に経営資源を投下してください。

 

ビジネスモデル俯瞰図の中で、お客様へと伸びる矢印に着目してください。お客様とは…細分化すると多くの属性が生まれます。

ビジネスモデル俯瞰図を分析するときは、ビジネスの流れを示す一つ一つの流れに着目して確認してください。特に、誰に売るのか?=顧客の分析は重要です。

 

次回はビジネスモデル俯瞰図の検証!(その3)「サービス代理店を付加する事例」を紹介いたします。

 

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