有限会社 サステイナブル・デザイン

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必見! あえて広告を打たないマーケティング戦略とは?

19.12.19 | ビジネス【マーケティング】

マーケティング戦略といえば、テレビや雑誌、新聞など、大手メディアへの広告のほか、インターネット広告などが主流です。 
しかし、コーヒーチェーンのスターバックスや会員制スーパーのコストコなど、広告やCMをほとんど行わずにブランドイメージを高め、集客力を向上させている企業もあります。 
今回は具体的な例を参考に、広告展開を行わないマーケティング手法についてご説明します。

最終的に購買に結びつく広告は一握り?

電通の調査によれば、2018年の日本における広告費の総額は、6兆5,300億円に上り、前年比で102.2%を記録するなど、7年連続で上昇傾向にあります。

しかし、広告展開の効果を疑問視する声もあります。
一説によると、人が一日に目にする広告の数は、3,000件ほどだといわれています。
そのなかで、記憶に残る広告というのは、どれくらいあるでしょうか。
さらに、記憶に残った広告のなかから、最終的に購買に結びついた広告の数となると、かなり限られてくるはずです。

そんななか、ほとんど広告やCMを打たずに、躍進を遂げた企業が存在します。
それが、スターバックスやコストコなどです。
これらの企業は従来の広告展開を行わずに、独自のプロモーション手法を行うことにより、業界でもトップクラスの成功を収めました。

一体、どのような手法を使ったのかをチェックしていきましょう。


広告展開の失敗を機に方向転換したスタバ

日本では『スタバ』の愛称でお馴染みのスターバックスは、1971年にアメリカのワシントン州シアトルで誕生しました。
セイレーンのロゴで知られるこのコーヒーショップは、一時はテレビCMなどの広告展開を行っていましたが、あまり効果を出すことができずに、放送を止めてしまいました。

この経験を元に、スターバックスは、広告に頼らないマーケティングを考えました。
まず、全店舗を禁煙にし、オープンテラスを採用。
ソファや照明などを洗練されたものに変えるなど、徹底的なイメージ戦略を実施することにしたのです。
さらに、電源環境やWi-Fi環境を整備し、長時間居ても苦にならない空間作りを目指しました。
『スタバ』といえば、常に大勢の人がくつろいでいて、思い思いの時間を過ごしているイメージがありますが、それもこういったブランディング戦略の賜物といえるでしょう。

また、スターバックスでは、新商品のテイスティングサービスや、従業員への70時間にもわたる接客教育などで、さらなるブランド価値を高めていきました。
さらにTwitterやFacebookなどを利用したPR活動などでもファンを増やし、今では、世界で3万店舗以上(2019年6月時点)、日本でも1,500店舗に迫る勢いで、店舗数を拡大しています。


コストコやZARAのブランディングとは?

また、日本ではコストコも、広告を打たない企業として有名です。
コストコは1983年にワシントン州シアトルで開店。
低価格の商品を巨大な倉庫で会員に向けて販売するというスタイルでシェアを拡大し、今ではアメリカで2番目に大きい小売店にまで成長しました。

日本でも、1999年に福岡県糟屋郡久山町で1号店がオープン。
現在、国内には26店舗があり、連日、大勢のコストコ会員で賑わっています。
コストコのマーケティング戦略の特徴は、メール配信と割引クーポンに特化したことでした。
マスメディアによる広告展開を行わず、あえて会員に向けてのプロモーションに絞ることで、他の小売業者とは一線を画し、成長を続けてきました。

また、スペインのアパレルメーカーで、日本でもお馴染みのZARAも、広告にコストをかけない企業として知られています。
ZARAは広告費の分を店舗作りにかけることで、ユーザーの認知度を高めてきました。
基本的にZARAの店舗は都市部に集中しており、その店舗自体が大きな広告になっています。
また、週2回、必ず新商品を店舗に並べるというルールを徹底させることによって、ユーザーの来店を習慣づけることに成功しています。

これらの企業は、大々的な広告を打たなくても、ユーザーを増やしたり、購買を促したりする仕組みをつくれることを証明しました。

もちろん、広告費をかけてより多くの人に認知されるものをつくるという方法もありますし、実践している企業も少なくありません。
また、インターネット広告のように、それぞれのユーザーに合った広告を提示し、一人ひとりに購買を促すという方法も近年の主流です。

マーケティングにおいて、広告展開はもちろん重要ですが、それが全てではありません。
自社のブランディング強化のために、これらの企業の取り組みを参考にしてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2019年12月現在の法令・情報等に基づいています。

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