司法書士法人あおばの杜

【家族信託基礎知識編・第6講】~家族信託の手続きの流れ~

21.03.13 | 家族信託基礎知識編

このメールマガジンでは、今、急激に利用者数が増加している家族信託について、
簡単にわかりやすく解説をさせていただきます。

 

今回は、家族信託の基礎知識編(全7講)の6講目。

 いよいよ、残すところあと1回となりました。

家族信託に関するイメージは沸いてきたでしょうか?

 まだイマイチ…という方もご安心ください。

今回解説をさせていただく家族信託の手続きの流れを読めば、実際にご自身がしていけばいいのかわかるため、
一気にイメージが沸いてくるようになると思います。

 

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このメールマガジンでは返信によるご質問も常に受け付けていますので、
読んでいてわからない点や疑問点等がありましたらお気軽にこのメールに返信という形で
ご質問くださいね。

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話題の家族信託について理解を深めて、あなたの家族の資産防衛に役立ててください。

 

さて、早速本題に入ってまいりましょう。

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【家族の財産をしっかり守る!家族信託・相続~虎の巻~】

■家族信託基礎知識編・第6講■

 

  ~家族信託の手続きの流れ~

■目次■

1.家族信託の手続きの流れ

2.当事者が自ら行う必要がある作業とは

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ー1.家族信託の手続きの流れー

 

家族信託の手続の流れは、以下のようになります。

 

1.専門家と打ち合わせ、信託契約の内容の確定

2.専門家にて信託契約書案を作成、契約内容の詳細を専門家より当事者(委託者、受託者、受益者)に説明

 3.当事者にて公証役場へ訪問、公証人とともに公正証書を作成。(専門家も同行)

 4.信託財産を管理する受託者名義の口座を任意の銀行にて開設

 5.委託者の口座から信託する預金等を受託者名義の口座へ移動

 6.信託不動産(ある場合)の名義変更手続き

 7.税務署への信託財産の届け出(税理士さんに依頼可)

 

 

以下、上記プロセスに補足説明を加えていきます。

 

 【1.専門家と打ち合わせ、信託契約の内容の確定】

 まずは、信託の目的を明確にしたうえで、その目的の達成のためにはどのような形の信託

契約にすればいいのかを専門家と詰めていきます。

 

手続の大前提を決めるプロセスであり、手続全体の中で最も重要な部分となります。

この打ち合わせ専門家との間ででしっかりと

情報の共有ができていないと、後々話が違った…ということになりかねませんので、
じっくりと丁寧に進めていく必要があります。

 

具体的に、相談者側でやることとしては、
信託財産の対象とする財産の資料(不動産の登記簿、評価証明書や預貯金通帳等)の準備、

信託を通じて達成したい目的、関係当事者の状況や関係性の情報開示です。

 

専門家は、相談者から与えられた情報を頼りに信託契約書の作成を進めますので、
情報の伝え漏れがないように留意しましょう。

 

もちろん、経験のある専門家であれば、専門家側からも、必要な情報の開示が受けられるよう、
適切な質問や資料の収集依頼を出してきてくれることでしょう。

 

 【2.当事者にて公証役場へ訪問、公証人とともに公正証書を作成。(専門家も同行)】

 公正証書は通常公証役場にて作成をしますが、
委託者が高齢でいjたくや病院から外出ができない、といった事情がある場合には、
委託者のいるところまで公証人に出張を依頼することも可能です。

この場合は、公証人の出張料(数万円)が公正証書作成費用とは別に発生します。

 

【3.信託財産を管理する受託者名義の口座を任意の銀行にて開設】

 受託者には、信託財産を自身の財産と分けて管理する義務が課せられています。

そのため、受託者は信託が開始したら自分の口座とは別に受託者の立場としての
銀行口座を新たに解説し、その口座に信託財産を移動します。

口座の名義は「信託受託者○○」「委託者○○信託受託者○○信託口」などとなります。

 銀行によっては上記のような口座を開設してくれないところもあるので、
信託契約書の作成と同時並行で、受託者名義の口座をどこで作るか決定し、
あらかじめ口座開設予定の金融機関に口座開設が可能か確認をしておきます。

 

【4.委託者の口座から信託する預金等を受託者名義の口座へ移動】

 口座が開設出来たら、上記でも開設した通り、
信託財産を分別管理するために信託財産とする預貯金を委託者の口座から受託者の口座に移動します。

 この資金移動は金額が大きくなるケース多いため、
委託者と受託者で委託者の口座のある金融機関に出向き、
事情を説明したうえで資金移動の依頼をかけると手続きがスムーズです。

(高齢の委託者が一人で窓口に出向いて資金の移動をすると金融機関が嫌がる可能性が高いです。)

 

 【5.信託不動産(ある場合)の名義変更手続き】

 信託財産に不動産が含まれる場合、受託者の信託財産の分別管理義務の一環として、
信託をした不動産の名義を受託者に変えなければなりません。

 

登記の手続になるので、一般的には司法書士に任せて指示に従うだけで手続きは完了します。

 

なお、信託をした不動産は、その収益などは受益者が受け取ることになりますが、
名義は委託者の名義に変わります。

 

【6.税務署への信託財産の届け出(税理士さんに依頼可)】

信託が開始したら、受託者は信託財産を税務署に届け出て、
年に一度信託財産の状況を報告しなければなりません。

 ただし、こちらは税務手続になるので、税理士に依頼することも可能です。

 

ー2.依頼者が自ら行う必要がある作業とはー

 また、信託契約を締結する際には、通常、家族信託の手続において、
当事者が自ら行う必要がある作業には、

 ・信託財産に関する資料の収集

・委託者、受託者の印鑑証明書の取得

・銀行窓口での送金

 などがあります。

 

そのほかに、当然ですが、専門家と打ち合わせをしたり、信託契約の内容を検討したり、

といったことを専門家と二人三脚で進めていくこととなります。

 

以上、今回は家族信託の手続きの流れ等について解説をさせていただきました。

 

次回はいよいよ、家族信託・相続対策~虎の巻~最終回です。

 

最終回では、家族信託を検討するタイミングについて解説をさせていただきます。

 

次回もお楽しみに!

 

※次回で家族信託の基礎知識をまとめた家族信託・相続対策~虎の巻~は終わりますが、

家族信託メルマガ自体はまだまだ続きます!

 

今回のメールを読んで、わからない点などありましたら、
お気軽に本メールへのご返信にてご質問ください。

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