宮田総合法務事務所

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相続で問題となる「特別受益」とは?

22.11.01 | 暮らし・人生にお役に立つ情報

皆さんは、相続・遺産分割における「特別受益」という言葉をご存知でしょうか。

この特別受益を正しく理解しないと、不公平な遺産分割が行われたり、遺産分割において円滑な手続きが進められないリスクがあります。

そこで今回は、相続・遺産分割において争点となり得る「特別受益」とは何なのかを簡単に紹介します。

≪特別受益とは?≫


特別受益とは、被相続人から遺贈や生前贈与などによって特別に経済的利益を受け取った相続人(これを「特別受益者」といいます)がいる場合のその利益のことをいいます。

この特別な利益の額は、相続開始時の遺産と合算したうえで、各相続人の相続分を決めなければならない(遺産分割をしなければならない)と定められています。これを「特別受益の持ち戻し」といいます。

つまり、特別受益は、公平な遺産分割を実現するための制度であると言えるでしょう。


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≪特別受益の対象となるもの≫


●その1:生前贈与
生前贈与とは、生きている間に財産を他者に無償で渡すことです。生前贈与の中には、特別受益の対象となるものと、扶養義務の範疇だとして特別受益の対象にならないものもあります。
実際に行われた生前贈与が「相続財産の前渡し」に該当するかを踏まえた上で、特別受益の対象となるかを判断する必要があります。


●その2:遺贈
遺贈とは、相続発生時に遺言によって財産を他者に贈与することです。
そして、この遺贈を受けた者が相続人の場合は、遺贈によってもたらされた利益が特別受益の対象となります。


●その3:死因贈与
死因贈与とは、生きている間に「私が死んだら〇〇(財産)を贈与します」と契約しておき、相続時に財産を渡すことです。
この死因贈与を受けた者が相続人の場合は、死因贈与によってもたらされた利益が特別受益の対象となります。



以上、今回は相続で問題となる特別受益とは何なのかを簡単に紹介しました。

相続における特別受益はトラブルに発展しやすいポイントですが、何が特別受益の対象となるか判断が難しいケースも多いです。

公平な遺産分割・円満円滑な相続手続きを行うためにも、お困りの際は一度当事務所にご相談ください。


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