税理士法人加藤会計事務所

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適用猶予業種等の働き方改革推進の取り組みを支援

23.09.12 | ビジネス【助成金】

2024年4月1日より建設業や運送業、病院等、砂糖製造業といった適用猶予業種などを対象とした時間外労働の上限規制が適用されます。
生産性の向上や時間外労働の削減、週休2日制の推進、勤務間インターバル制度の導入など、働き方改革に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援する『働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース)』を紹介します。

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、生産性を高めながら労働時間の縮減などに取り組む中小企業や小規模事業者、傘下企業を支援する事業主団体に対して助成されます。
中小企業における労働時間の設定の改善を促進することを目的とし、5つのコースの助成金が設けられています。
今回はそのなかから、2024年4月から時間外労働の上限規制がなくなる業種に対して支給される助成金、『働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース)』について説明します。

支給要件など本助成金の概要は以下の通りです。

【支給対象事業主】
次のいずれにも該当する事業主が対象です。
●労働者災害補償保険の適用事業主であること。
●交付申請時点で、『成果目標』1から4の設定に向けた条件を満たしていること。
●すべての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
●常時使用する労働者数が300人以下もしくは資本金または出資額が3億円以下(病院等については5,000万円以下)の『建設業』『運送業』『病院等』『砂糖製造業』の事業主であること。
※業種ごとに要件があります。

【成果目標】※業種ごとに選べる目標が異なります。
1.すべての対象事業場において、令和5年度または令和6年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、または月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し(病院等は月80時間以下に設定)、所轄労働基準監督署長に届出を行うこと。
2.すべての対象事業場にて、4週5休から4週8休以上の範囲で所定休日を増加させること。
3.すべての対象事業場において、9時間以上の勤務間インターバル制度の規定を新たに導入すること。
4.医師の働き方改革推進に関する取り組みとして以下(1)、(2)をすべて実施すること。
(1)労務管理体制の構築等
ア.労務管理責任者を設置し、責任の所在とその役割を明確にすること
イ.医師の副業・兼業先との労働時間の通算や医師の休息時間確保に係る協力体制の整備を行うこと(副業・兼業を行う医師がいる場合に限る)
ウ.管理者層に対し、人事・労務管理のマネジメント研修を実施すること
(2)医師の労働時間の実態把握と管理
ア.労働時間と労働時間でない時間の区別などを明確にした上で、医師の労働時間の実態把握を行うこと
イ.医師の勤務計画を作成すること

【支給対象となる取組】
前項の『成果目標』のうち1つ以上を選択し、以下の取り組みのうち1つ以上を選択して目標達成を目指して実施します。
●労務管理担当者に対する研修
●労働者に対する研修、周知・啓発
●外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
●就業規則・労使協定等の作成・変更
●人材確保に向けた取組
●労務管理用ソフトウェアの導入・更新
●労務管理用機器の導入・更新
●デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
●労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

など

【支給額】
取り組みの実施に要した経費の一部を、成果目標の達成状況に応じて以下のいずれか低い方の額を支給します。
1.成果目標の上限額および賃金加算額の合計額
2.対象経費の合計額×補助率3/4(※)
※成果目標は1から4まであり、補助率は条件によって異なります。
<例>成果目標2達成時の上限額:1日増加ごとに25万円(最大で100万円まで)

なお、設定した成果目標の達成状況ごとに助成金支給額の上限は異なります。

【申請手続き】
1.交付申請(令和5年11月30日まで<必着>)
※支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、予告なく締め切る場合があります。
2.交付・不交付の決定通知
3.事業実施
4.支給申請
5.支給・不支給の決定通知

このほかにも、細かい条件や必要な書類等がありますので、詳細は厚生労働省ホームページや専門家にお問い合わせください。

出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692_00001.html


※本記事の記載内容は、2023年9月現在の法令・情報等に基づいています。

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